研究課題/領域番号 |
19K00767
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研究機関 | 都留文科大学 |
研究代表者 |
上原 明子 都留文科大学, 教養学部, 教授 (50749025)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 音韻認識 / フォニックス / フォーカス・オン・フォーム |
研究実績の概要 |
本研究は,音韻認識(Phonological Awareness), 発音と綴りの関係(Phonics),さらに文法への気付き(Focus on Form)を促す小学校英語のカリキュラム開発を行うものである。これらを何年生からどのような形で指導するのが効果的なのかについて,公立小学校の協力のもと検証し,カリキュラムを提案する。 英語圏で近年注目されている音韻認識であるが,英語母語話者を対象に行われている指導法を,日本人児童に対してそのまま導入できるものではない。日本人児童に対してどのような指導が効果的なのか,そしてどのように発音と綴りの関係につなげていくのかを探るのが本研究の目的である。文法への気付きを促す指導(Focus on form)も,世界的に広まっている指導法であるが,中等教育を中心に行われているので,日本の小学校段階への導入を検討する。 2019年度及び2020年度は,音韻認識(Phonological Awareness)と, 発音と綴りの関係(Phonics)について,海外・国内の文献研究を行い,研究の動向を知ることができた。2021年度は,小学校外国語科の文部科学省検定済教科書における,音韻認識(Phonological Awareness)や発音と綴りの関係(Phonics)の取り扱いについて分析し,教科書によって扱いに差があることや,音韻認識についての活動が十分ではないことを明らかにすることができた。これについては,学会にて研究発表を行った。また,中学校外国語科の文部科学省検定済教科書における発音と綴りの関係(Phonics)の取り扱いについても分析し,教科書によって扱いに差があることや,系統的な指導になっていないことを明らかにすることができた。これについては,論文を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年度及び2020年度の文献研究に続き,2021年度は,小学校外国語科と中学校外国語科の文部科学省検定済教科書における,音韻認識(Phonological Awareness)と発音と綴りの関係(Phonics)の取り扱いについて分析し,教科書によって扱いに差があることや,音韻認識についての活動が十分ではないこと,系統的な指導になっていないこと等を明らかにすることができた。そして,これらについて,学会での研究発表や論文発表を行った。さらに,公立小学校における授業研究に向けてカリキュラムの原案を作成することができた。文法への気付きを促す指導(Focus on Form)については,文献研究を行った。 以上の通り,おおむね計画に沿って研究を進めることができている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究推進方策として,以下のように計画している。 4年目(2022年度)は,公立小学校における音韻認識(Phonological Awareness)と,発音と綴りの関係(Phonics)の授業研究,ジョリーフォニックスの教材研究,カリキュラムの修正,海外・国内の先進校及び学会における情報収集を行う。また,文法への気付きを促す指導(Focus on form)についての文献の収集・分析を行う。 5年目(2023年度)は,公立小学校における文法への気付きを促す指導(Focus on form)の授業研究,カリキュラムの最終修正,海外・国内の先進校及び学会における情報収集を行う。また,学会にて研究発表や論文投稿を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度は,海外及び国内の先進校視察及び学会にて情報収集を行う予定であった。しかし,コロナ禍で海外及び国内の学校等の視察を行うことができなかった。また,学会のすべてが遠隔で行われたため,出張旅費の必要がなくなり,次年度使用額が生じることとなった。 次年度は,海外の文献や教材等を積極的に購入したい。また,新コロナウイルスの状況にもよるが,海外の先進校視察や学会への参加を積極的に行いたい。
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