研究課題/領域番号 |
19K00770
|
研究機関 | 國學院大學 |
研究代表者 |
長田 恵理 國學院大學, 人間開発学部, 准教授 (40581690)
|
研究分担者 |
物井 尚子 (山賀尚子) 千葉大学, 教育学部, 准教授 (70350527)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | ヨーロッパの教育 / 現職教員研修 / 初等外国語教育 |
研究実績の概要 |
当該年度の研究計画は主に、EPOSTL発祥の地であるヨーロッパにおける実地調査である。 ヨーロッパ教育学会(ECER)や、TESOL Italy、Innovation in Language Learning 学会などに参加し、外国語教育、特に内容言語統合型学習、さらにLesson studyについての発表を聞き、ヨーロッパの教育現場の現状について調査した。 現職教員が研修を容易に受けられるための支援であるErasmus+を適用されるCLILセミナーに参加し、現状を探った。Erasmus+自体が、学生及び教員の自立学習を促しているとの印象を強く受けた。 主にイタリアにおいて、現職教員研修の場に足を運び、教員の声を聞くとともに、どのような視点で研修が行われているかについて知ることができた。イタリアにはLEND(Lingua e Nuova Didattica)という現職教員組織があり、地域ごとに活動をしている。研修は任意によるものであり、それぞれ核となる経験豊富な教員、あるいは退職教員が講師となって教員の能力向上を目指している。しかし、参加者は中高の教員が多く、全科指導が基本の小学校教員の参加は多くはない。イタリアには年間500ユーロの研修費が各教員に支給されるが、全科の教員である小学校の場合、外国語指導にそれを使うとは限らないことが要因の一つと考えられる。 イタリア及びフィンランドの小(中)学校を訪問し、授業観察と使用教材についての調査、インタビュー調査を実施した。また、イギリスでも現職教員と教員養成に従事してきた大学教員にインタビューを行った。これら調査についての整理は令和2年度に行う予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
健康上の理由で、2か月ほど、静養を余儀なくされた。 令和2年2月以降の新型ウイルス流行のため、予定していた大学教員養成課程と小学校訪問が閉校のためキャンセルとなり、予定をすべて遂行することができなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
教科書が発行されたので、当初の予定通り、教科書を購入、内容調査を行うとともに、昨年度の実施調査のまとめも行い、論文を執筆する。このまとめに関しては、10月に報告を兼ねて、大学英語教育学会関東支部の研究会で発表予定である。 今般の世情により、当研究課題のテーマである自立学習が必要不可欠となっている。事例収集を開始した。
|
次年度使用額が生じた理由 |
ヨーロッパでの研究にかかる費用を科研費から支払わなかったことと、健康上の理由及び世情により研究計画をすべて遂行することができなかったことが理由である。 今年度も、今般の事情により、旅費は計画通りに支出できる保証が今のところはない。一方で、当初計画していた教科書調査に関して、教科書資料が想定よりもかなり高額であったことから、こちらに充てて、詳細に調査する予定である。
|