3年間にわたる研究の最終年度にあたる令和3年度においては、昨年度作成した日本の小学校英語環境や児童の実態に合わせて開発したフィンランド型プラクティスの教材(英語ワークブック)を、研究協力校に配布した。そして実験的に使用してもらい、研究協力校の教員からワークブックに対する意見を聞き、また児童の反応を見ながら教材の改良、修正を行なった。さらに、改良したワークブックを使って一定期間授業を実践してもらい、児童の英語力の推移を検証した。その結果、児童からはワークブックに対しては好意的な反応を得ることができた。また児童の英語力の推移に関しては、当初スピーキングによる事前・事後テストを実施する予定であったが、コロナ禍で発話の制限があったためライティングによる事前・事後テストに変更せざるを得なかったが、児童のライティングにおける英語表記の割合が増え、カタカナやローマ字表記の割合が減る結果となった。またライティングで産出された英文の総数が増え、児童1人当たりの使用総語数が有意に増加した。さらに使用した単語の種類や表現が大幅に増加する結果となった。なお、開発したフィンランド型プラクティスの英語ワークブックは、研究協力校にしか配布ができていないので、今後多くの小学校で使ってもらえるよう広めていきたい。 研究成果については令和3年度に開催された全国英語教育学会第46回長野研究大会、中部地区英語教育学会第50回記念愛知大会、英語授業研究学会第32回全国大会で発表した。これらの研究成果を踏まえて、論文の投稿を行い、また本年度は研究の総括を行なった。
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