研究実績の概要 |
今年度も引き続き国内・国外のコースブック、教材、論文、文献などに含まれているタスクを収集・分析し、その構造をパターン化しながらタスク開発に役立つモデルが出来ないかを検討した。特に意思決定タスクに至るまでのサブ・タスクやスモールステップをlisting, classifying, ordering, ranking などのプロセスを段階的に組み込むことでタスクを取組みやすいものにすることが可能であることが実験からわかった。 昨年度十分にできなかったタスク遂行データ収集の遅れについてはアウトソーシングにより解決できた。開発したタスクは、Information-gap task, Decision-making task, Problem-solving taskが主で、フィリピン人の英語上級話者に遂行してもらい音声を録音し文字起こしした。文字化したデータを語彙分析にかけてCEFR基準でどの程度のレベルで表現しているかを確認した結果、ほとんどがA1、A2レベルであった。タスクのレベルにもよるが、CEFR A1、A2レベルの語彙がいかに大事であるかがわかった。今後は各タスクのデータでよく使われる表現や文法などを抽出しまとめ、ポスト・タスクでの言語フォーカスなどに利用できるようにする。近年、タスクは徐々に国内でも注目を浴びてきているが、タスク遂行者の音声やトランスクリプション、そして言語フォーカス可能なフォームや要素を扱っている教材はかなり少ないので、本研究による音声・文字のデータベース化の試みは意義深いものになると考えられる。
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