これまでの成果に基づき、内容言語統合型学習(CLIL)の実践練習を筑波大学授業において継続すると共に、CLIL授業を指導できる教員を育成するため、2021年9月および2022年3月(各1日)にCLIL FD「英語で効果的に授業を行うために」を実施し、勤務校全体でのCLILスキルの向上に貢献した。 こうした実践をもとに、2021年10月の日本CLIL学会全国大会において、Boosting the CLIL Learners’ Understanding: Balancing Authenticity and Intelligibility と題してCLIL指導における真正英語(authenticity)に関する発表を行った。この発表では、学習者への真正英語教材を勧める半面、授業においては、非英語圏受講生のために低頻度語やイディオム表現のパラフレーズが必要であり、専門用語については適宜日本語術語を導入の上で英語定義を行うなどの言語サポートが必要であることを述べた 2021年11月においては、映像メディア英語教育学会(ATEM)の国際大会においてWatching Videos Is Not Just For Receptive Skills の題目で研究発表を行った。ここでは、真正英語ビデオを使う場合でも、受容的英語スキルに重点が置かれていた点を批判し、ビデオを使っていかに即興的・論理的に議論・発表を行えばよいかについての発表を行った。関連して12月には英語表現学会全国大会において「英英定義は英語発表のパラフレーズに役立つのか」を発表し、英英定義が低頻度語・イディオムの言い換えに役立つことを示した。 このように、CLIL活用により、受動的英語スキルだけではなく、論理を重視した発信能力の開発に重点を置いた研究を実践し報告を行った。
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