研究課題/領域番号 |
19K00787
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
牧 秀樹 岐阜大学, 地域科学部, 教授 (50345774)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | The Minimal English Test / The MET 60 / The jMET |
研究実績の概要 |
2019年度は、「MET(高校生以上版最小英語テスト)とjMET(中学生版最小英語テスト)のどちらが大学生の英語能力をより精密に測定するかを明らかにする日中調査」を行った。本調査におけるMETは、これまでのものを改定し、問題数を60とし、12ずつ、5つの範疇(名詞、代名詞、前置詞、冠詞、動詞)で構成した。この新たなMETをMET60と呼ぶ。まず、日本においては、2019年1月に実施されたセンター試験英語総合得点とMET60の得点の相関係数は、0.49(サンプル数428)で、また、センター試験英語総合得点とjMETの得点の相関係数は、0.32(サンプル数428)であった。この結果、日本においては、MET60の方が明らかに、大学生の英語能力をより精密に測定することが明らかになった。 次に、中国においては、CET Band 4 (College English Test 4級)の総合得点とMET60の得点の相関係数は、0.57(サンプル数344)で、また、CET Band 4の総合得点とjMETの得点の相関係数は、0.48(サンプル数344)であった。さらに、CET Band 6 (College English Test 6級)の総合得点とMET60の得点の相関係数は、0.46(サンプル数60)で、また、CET Band 6の総合得点とjMETの得点の相関係数は、0.24(サンプル数60)であった。この結果、中国においても、MET60の方が明らかに、大学生の英語能力をより精密に測定することが明らかになった。 また、MET60における5つの範疇のうち、どの範疇がより長時間の試験の得点に貢献するかを調査した。日本においては、代名詞と動詞の得点だけが、センター試験英語の得点と相関を持ち、中国においては、5つの範疇全ての得点が、CET Band 4の得点と相関を持った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日本国内においては、北海道大学、大阪大学、信州大学、山口大学の研究者の協力が得られ、また、中国においては、貴州省の黔南民族師範学院の研究者の協力が得られたため、実験が順調に行われ、したがって、データ分析も順調に行われたため。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は、これまで一度もMETの調査が行われてこなかったバングラデシュにおいて、その大学入試英語得点とMET60の得点との相関を調査し、MET60がバングラデシュのような他のアジアの国の大学生の英語能力もある程度測定できるか調査する。 また、可能であれば、中国において、これまで一度も調査が行われてこなかった中学生の英語能力を、その中間試験・期末試験の得点とjMET/MET60の得点との相関を調査し、jMET/MET60が中国における中学生の英語能力もある程度測定できるか調査する。
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