研究課題/領域番号 |
19K00787
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
牧 秀樹 岐阜大学, 地域科学部, 教授 (50345774)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | The Minimal English Test / The MET 60 / Bangladesh |
研究実績の概要 |
2020年度は、バングラデシュのダッカ大学のSikder Monoare Murshed博士の協力を得、バングラデシュの大学入試英語得点と、MET 60得点との間に、相関があるかどうか調査した。MET 60は、問題数が60で、12ずつ、5つの範疇(名詞、代名詞、前置詞、冠詞、動詞)で構成されている。音声の長さは、約3分である。バングラデシュの大学入試英語は、聴解問題を含まず、筆記問題だけから構成され、試験問題は、25題で、試験時間は15分である。 被験者は、40名で、大学入学試験英語を受験していた。実験の結果、バングラデシュにおける大学入試英語得点とMET 60得点との間に、統計的有意な相関があることが明らかになった。(相関係数 r = .61、p < .001)これまでの調査において、日本においては、2019年1月に実施されたセンター試験英語総合得点とMET 60の得点の相関係数は、.49(被験者数428)、また、中国においては、CET Band 4(College English Test 4級)の総合得点とMET 60の得点の相関係数は、.57(被験者数344)であることから、バングラデシュにおける調査結果は、それらと同様の傾向を示すことが明らかになった。 さらに、MET 60の5つの範疇のうち、どの範疇がバングラデシュの大学入学試験英語の得点に貢献するかを調査した。分析の結果、MET 60における冠詞、名詞、代名詞の得点が、大学入学試験英語の得点と相関を持つことが明らかになった。これまでの調査で、日本では、代名詞と動詞の得点だけが、センター試験英語の得点と相関を持ち、中国では、5つの範疇全ての得点が、CET Band 4の得点と相関を持っていることから、母語によって、5つの範疇のどれが総合的英語テストの得点の予測に寄与するかに相違があることも明らかになってきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
バングラデシュのダッカ大学の研究者の協力が得られたため、実験が順調に行われ、したがって、データ分析も順調に行われたため。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は、2021年1月に日本で初めて実施された大学入試共通テスト英語の得点(読解100点満点・聴解100点満点)とMET 60の得点との相関を調査する予定である。ただし、対面方式による授業の実施が困難であることも予想されるため、そのような場合には、予備的調査として、オンライン版のMETを試作したいと考えている。
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