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2020 年度 実施状況報告書

韓国語リーダビリティを活用した読解学習支援システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 19K00794
研究機関山口県立大学

研究代表者

林 ひょん情  山口県立大学, 国際文化学部, 教授 (30412290)

研究分担者 淺尾 仁彦  国立研究開発法人情報通信研究機構, ユニバーサルコミュニケーション研究所データ駆動知能システム研究センター, 研究員 (10755119)
李 在鎬  早稲田大学, 国際学術院(日本語教育研究科), 教授 (20450695)
斉藤 信浩  九州大学, 留学生センター, 准教授 (20600125)
須賀井 義教  近畿大学, 総合社会学部, 准教授 (60454641)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード韓国語リーダビリティ / 読解学習支援システム / 「kReadability」 / CLIL
研究実績の概要

本研究は、韓国語学習者が自分の語学レベルに応じて適切な学習用教材をアダプティブに利用できる韓国語読解教育のための学習支援システム(Kreadability)の開発を行い、近年社会的ニーズが高まっているCLIL(内容言語統合型学習)を柱とする韓国語教育を飛躍的に進展させることを目的とする。
令和2年度は、使用者のニーズを取り入れた使いやすいシステムの改善・改良を目指し、前年度に構築した「kReadability」システム(http://asaokitan.net/kreadability)の構築状況を朝鮮語教育学会にて報告するとともに、開発中のwebサイトを公開し、国内外の共同研究者との意見交換も積極的に行った。
現段階での課題としては、(1)形態素解析の単位が学習項目の単位に比べて細かすぎる。(2)ニュース記事などを題材とする場合の固有名詞や時事性の高い語が辞書に登録されていないことが多いため誤った解析結果が表示され、それによってリーダビリティ値も影響を受けてしまう。(3)同綴異義語がある場合、それを語彙レベルなどと対応付ける段階でも誤りが生じるおそれがある。これらは主に形態素解析の精度に関わる問題であることから、形態素解析辞書をアップデートすることである程度改善されると見込まれる。今後は、形態素解析辞書をアップデートしながら、より安定したシステムを構築していく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

令和2年度の計画は、前年度に引き続き、使用者のニーズを取り入れたより使いやすいシステムの構築を目指したシステムの改善・改良を行うことである。そのため、朝鮮語学会にて開発中の「kReadability」の進捗状況を報告するとともに、国内外の教育研究者に関連サイトを公開し、積極的に意見交換を行った。システム試用や教育研究関係者との意見交換で見つかった課題については、すでに問題解決のための検討が進んでおり、次年度の研究計画のなかに具体的な改善策を盛り込んで遂行していく計画である。

今後の研究の推進方策

今後の開発方針としては、電子辞書、語彙レベル別の単語帳、語彙能力測定ツールなどとリーダビリティ判定システムとを連携させ、学習者がツール群を自由に行き来できる「アダプティブラーニング読解学習支援システム」を構築することで、学習者の読解力スキル向上の支援を目指す。また、「Kreadability」システムを利用した教育現場での活用方法として、教材開発、読解テスト作成などの実践に繋げていくとともに、その知見をシステム開発へフィードバックし、システムの改良を行っていきたいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

昨年度に続き、Covid-19の影響により、予定していた学会参加や打ち合わせ等が延期・中止になったため、次年度使用額が生じてしまった。使用計画としては次年度の学会参加や打ち合わせ、ワークショップ実施のための旅費に当てる予定であるが、次年度もすでにCovid-19の影響がでていることから、計画計画や使用計画の見直しを含め、今後も助成金の適切な使用に努めていきたいと考えている。

  • 研究成果

    (20件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (8件) (うちオープンアクセス 1件、 査読あり 5件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 韓国語文章リーダビリティ判定システム「kReadability」2021

    • 著者名/発表者名
      淺尾 仁彦, 林 炫情, 李 在鎬, 須賀井 義教, 斉藤 信浩
    • 雑誌名

      朝鮮語教育―理論と実践―

      巻: 16 ページ: 5 - 18

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 理由を表さない日本語のカラ節の理解,Studies in Language Sciences 19,pp.35-47. 言語科学会2021

    • 著者名/発表者名
      斉藤信浩・玉岡賀津雄
    • 雑誌名

      Studies in Language Sciences

      巻: 19 ページ: 35-47

    • DOI

      10.34609/sls.19.0_35

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 留学生のレベル判別テストにおける新旧読解テストの比較2021

    • 著者名/発表者名
      斉藤信浩・田尻由美子・平岡貴子・園田昌世・井手玲奈
    • 雑誌名

      基幹教育紀要

      巻: 7 ページ: 41-52

    • DOI

      10.15017/4363039

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 多肢選択テストで会話能力を予測する際に生じる誤差の分析2021

    • 著者名/発表者名
      斉藤信浩
    • 雑誌名

      九州大学留学生センター紀要

      巻: 29 ページ: 13-20

  • [雑誌論文] リーダビリティ研究がもたらす新しい第二言語教育について2020

    • 著者名/発表者名
      林炫情, 李在鎬
    • 雑誌名

      WIAS Discussion Paper(早稲田大学高等研究所ディスカッションペーパー)

      巻: 006 ページ: 5 - 18

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] Quantitative Analysis of JFL Learners' Writing Abilities and the Development of a Computational System to Estimate Writing Proficiency2020

    • 著者名/発表者名
      Lee, Jae-Ho, Hasebe, Yoichiro
    • 雑誌名

      Learner Corpus Studies in Asia and the World

      巻: 5 ページ: 105 - 120

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 評価コメントに見られる意見文評価の様相―共起ネットワーク及びコレスポンデンス分析に基づく考察―2020

    • 著者名/発表者名
      伊集院 郁子, 李 在鎬, 小森 和子, 野口 裕之
    • 雑誌名

      第二言語としての日本語の習得研究

      巻: 23 ページ: 26 - 43

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 日本語教育学の課題に対して計量分析は何ができるか2020

    • 著者名/発表者名
      李在鎬
    • 雑誌名

      計量国語学

      巻: (32)7 ページ: 372 - 386

  • [学会発表] 日本語の難易度に関する評価観:やさしい日本語を素材に2021

    • 著者名/発表者名
      李在鎬
    • 学会等名
      The 27th Princeton Japanese Pedagogy Forum
    • 国際学会
  • [学会発表] しゃべる機械を作るために言語学に何ができるか2021

    • 著者名/発表者名
      淺尾仁彦
    • 学会等名
      言語学フェス2021
  • [学会発表] 公開 「韓国語リーダビリティを活用した 韓国語文章難易度判別システム「kReadability」の開発」2020

    • 著者名/発表者名
      林炫情, 李在鎬, 淺尾仁彦, 須賀井義教, 斉藤信浩
    • 学会等名
      朝鮮語教育学会 第84回例会
  • [学会発表] Understanding User Utterances in a Dialog System for Caregiving.2020

    • 著者名/発表者名
      Yoshihiko Asao, Julien Kloetzer, Junta Mizuno, Dai Saiki, Kazuma Kadowaki, and Kentaro Torisawa
    • 学会等名
      Language Resources and Evaluation Conference (LREC 2020)
    • 国際学会
  • [学会発表] 形式や意味の一方が欠けている構文は存在するか.2020

    • 著者名/発表者名
      淺尾仁彦
    • 学会等名
      日本認知言語学会第21回全国大会ワークショップ
  • [学会発表] Simulating acceptability judgments using ARDJ data.2020

    • 著者名/発表者名
      黒田航・横野光・阿部慶賀・土屋智行・浅尾仁彦・小林雄一郎・金丸敏幸・田川拓海
    • 学会等名
      言語処理学会第27回年次大会
  • [学会発表] ICTを利用した読解授業2020

    • 著者名/発表者名
      李在鎬, 伊集院郁子, 青木優子, 長谷部陽一郎, 村田裕美子
    • 学会等名
      JLESA特別フォーラム
  • [学会発表] 相互評価活動の定量的分析:アカデミックリーディングを例に2020

    • 著者名/発表者名
      李在鎬
    • 学会等名
      第3回南アジア日本語教育シンポジウム
  • [学会発表] 機械学習に基づく話し言葉と書き言葉の特徴分析2020

    • 著者名/発表者名
      李在鎬
    • 学会等名
      第二言語習得研究会第31回全国大会
  • [学会発表] 中期朝鮮語の計量的分析の試み―クラスター分析による『釈譜詳節』各巻の分類―2020

    • 著者名/発表者名
      須賀井義教
    • 学会等名
      第266回朝鮮語研究会
  • [図書] 『シリーズ言語学と言語教育42 外国語としての日本語の実証的習得研究』:第5章 「回帰分析による因果関係の証明」担当2021

    • 著者名/発表者名
      斉藤信浩
    • 総ページ数
      208
    • 出版者
      ひつじ書房
    • ISBN
      978-4-8234-1058-1
  • [図書] 『プレゼンテーションと討論で学ぶ総合韓国語』2020

    • 著者名/発表者名
      金龍, 林炫情, 金楷昤, 李恩晶
    • 総ページ数
      211
    • 出版者
      延辺大学出版社(中国)
    • ISBN
      978-7-5688-9441-8

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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