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2021 年度 実施状況報告書

韓国語リーダビリティを活用した読解学習支援システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 19K00794
研究機関山口県立大学

研究代表者

林 ひょん情  山口県立大学, 国際文化学部, 教授 (30412290)

研究分担者 淺尾 仁彦  国立研究開発法人情報通信研究機構, ユニバーサルコミュニケーション研究所データ駆動知能システム研究センター, 主任研究員 (10755119)
李 在鎬  早稲田大学, 国際学術院(日本語教育研究科), 教授 (20450695)
斉藤 信浩  九州大学, 留学生センター, 准教授 (20600125)
須賀井 義教  近畿大学, 総合社会学部, 准教授 (60454641)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード韓国語リーダビリティ / 読解学習支援システム / kReadability / CLIL
研究実績の概要

本研究は、韓国語学習者が自分の語学レベルに応じて適切な学習用教材をアダプティブに利用できる韓国語読解教育のための学習支援システム(Kreadability)の開発を行い、近年社会的ニーズが高まっているCLIL(内容言語統合型学習)を柱とする韓国語教育を飛躍的に進展させることを目的とする。
令和3年度は、令和2年度に引き続き、使用者のニーズを取り入れた使いやすいシステムを改善・改良しながら、kReadabilityシステム(http://asaokitan.net/kreadability)の検証結果を第88回朝鮮語教育学会にて報告した。検証の結果、リーダビリティスコアは検定試験で設定されている初級から高級までの各級に応じてスコアが上昇しており、各級の読解文章とリーダビリティスコアが適切な関係になっていることが分かった。そして新聞、白書、ウェブ演説文との比較においては、それらのテキストのリーダビリティスコアが、韓国語能力検定試験(TOPIK)は中級2.86から高級2.93の間に分布、ハングル能力検定試験は準2級2.25から2級2.86の間に分布していることを明らかにし、実際の韓国社会で使用される文章の難易度と検定試験の難易度の基準を示すことができた。以上のように,各検定試験の結果と,各韓国語のテキストとの比較の結果,妥当なリーダビリティスコアが得られ、kReadabilityのツールの測定精度も適切であることを示すことができた。本結果は、現在朝鮮学会に投稿中である(「kReadabilityを用いた韓国語検定試験の読解文章難易度比較」)。また、kReadabilityの広報活動の一環として、朝鮮語教育学会の第53回第二言語習得論分科会にて、オンラインによるkReadabilityワークショップを実施し、kReadabilityの理解や活用方法などについて意見交換を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本来なら本研究の最終年度にあたる令和3年度は、構築した「kReadability」システムの検証を行いながら、教育的な面での利用を含め、積極的な広報活動を行うことであった。システムの検証においては、各検定試験の結果と各韓国語のテキストとの比較を行った結果、妥当なリーダビリティスコアが得られたことから、kReadabilityのツールの測定精度が適切であることを示すことができた。しかしながら、コロナの影響に伴い、オンラインで実施したワークショップを通して多少の反響は得られたものの、対面でのデモンストレーションができず、広報活動はかなり制限されたものとなった。そのため、計画よりやや遅れがでていると判断した。

今後の研究の推進方策

今後の開発方針としては、語彙レベル別の単語帳などとリーダビリティ判定システムとを連携させることで、学習者の読解力スキル向上の支援を目指す。また、広報活動においても、「Kreadability」システムを利用した教育現場での活用方法として、教材開発、読解テスト作成などの実践に繋げていくとともに、その知見をシステム開発へフィードバックし、システムの改良を行っていきたいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

昨年度に続き、コロナの影響により、予定していた学会参加や打ち合わせ、ワークショップ等が延期・中止になったため、次年度使用額が生じてしまった。使用計画としては次年度の学会参加や打ち合わせ、ワークショップ実施のための旅費に当てる予定であるが、使用計画の見直しを含め、今後も助成金の適切な使用に努めていきたいと考えている。

  • 研究成果

    (19件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 4件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 中期朝鮮語の計量的分析の試み―クラスター分析による『釈譜詳節』各巻の分類―2022

    • 著者名/発表者名
      須賀井 義教
    • 雑誌名

      朝鮮語研究

      巻: 9 ページ: 175-207

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Demonstration performance 評価方法を用いた韓国語授業のデザインと実践2022

    • 著者名/発表者名
      林炫情
    • 雑誌名

      朝鮮語教育-理論と実践-

      巻: 17 ページ: 29-44

  • [雑誌論文] 介護支援対話システムMICSUSのための意味解釈モジュール2022

    • 著者名/発表者名
      淺尾仁彦・水野淳太・呉鍾勲・Kloetzer Julien・大竹清敬・福原裕一・鎌倉まな・緒形桂・鳥澤健太郎
    • 雑誌名

      言語処理学会第28回年次大会発表論文集

      巻: . ページ: 952-956

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 韓国語文章リーダビリティ判定システム「kReadability」2021

    • 著者名/発表者名
      淺尾仁彦, 林炫情, 李在鎬, 須賀井義教, 斉藤信浩
    • 雑誌名

      朝鮮語教育-理論と実践-

      巻: 16 ページ: 5-18

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 形式や意味の一方が欠けている構文は存在するか2021

    • 著者名/発表者名
      淺尾仁彦
    • 雑誌名

      日本認知言語学会論文集

      巻: 21 ページ: 415-420.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 書くことを支援する自動評価システム「jWriter」(特集AIやICTが変える言語教育)2021

    • 著者名/発表者名
      李在鎬
    • 雑誌名

      日本語学2021冬号

      巻: 40(4) ページ: 42-51

  • [雑誌論文] 発話の産出量と習熟度の関連性に関する定量的分析:I-JASの対話データを用いた分析2021

    • 著者名/発表者名
      李在鎬
    • 雑誌名

      日本語教育研究(韓国日語教育学会)

      巻: 56 ページ: 55-64

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 日本語の難易度に関する評価観:やさしい日本語を素材に2021

    • 著者名/発表者名
      李在鎬
    • 雑誌名

      Princeton Japanese Pedagogy Forum Proceedings

      巻: . ページ: 27

  • [雑誌論文] 論理的文章の自動評価に関する研究ーアカデミック・ライティングへの貢献を目指して2021

    • 著者名/発表者名
      李在鎬, 伊集院郁子, 青木優子, 長谷部陽一郎, 村田裕美子
    • 雑誌名

      2021年度日本語教育学会春季大会予稿集

      巻: . ページ: 223-226

    • 査読あり
  • [学会発表] 自律学習を支援するAIと日本語教育(基調講演)2022

    • 著者名/発表者名
      李在鎬
    • 学会等名
      第4回AIと日本語教育国際シンポジウム:アクティブ・ラーニングを目指すAIと日本語教育
    • 招待講演
  • [学会発表] 日本語教育・日本語学習支援におけるIT活用の可能性と課題-より充実した連携と学習効果の向上のために-2022

    • 著者名/発表者名
      李在鎬
    • 学会等名
      第14回大阪大学専門日本語教育研究協議会
    • 招待講演
  • [学会発表] kReadabilityを用いた韓国語検定試験の読解文章難易度比較2021

    • 著者名/発表者名
      斉藤信浩, 林炫情, 李在鎬, 淺尾仁彦, 須賀井義教
    • 学会等名
      朝鮮語教育学会第88回例会
  • [学会発表] Gradience in construct-i-con and how we can deal with it.2021

    • 著者名/発表者名
      Yoshihiko Asao
    • 学会等名
      日本認知言語学会第22回大会
  • [学会発表] 日本語教育における作文の自動評価2021

    • 著者名/発表者名
      李在鎬
    • 学会等名
      日本言語テスト学会第24回全国研究大会シンポジウム「日本語教育におけるアフターコロナの評価にむけて」
    • 招待講演
  • [学会発表] 日本語教育とデータ科学の融合2021

    • 著者名/発表者名
      李在鎬
    • 学会等名
      日本教育心理学会自主シンポジウム「統計改革は各教育分野にどのように展開していったか」
    • 招待講演
  • [学会発表] 複言語話者の言語能力に関する定量的分析:複言語話者と単言語話者は習熟度によって何が異なるか2021

    • 著者名/発表者名
      李在鎬
    • 学会等名
      第24回ヨーロッパ日本語教育シンポジウム
  • [学会発表] 量的分析に基づく日本語教育学研究の課題と展望2021

    • 著者名/発表者名
      李在鎬
    • 学会等名
      第34回日本語教育連絡会議
  • [図書] データ科学×日本語教育 (担当範囲:編集、1章、2章執筆)2021

    • 著者名/発表者名
      李在鎬 (編者(編著者)
    • 総ページ数
      328
    • 出版者
      ひつじ書房
    • ISBN
      4823410998
  • [備考] 韓国語 文章難易度判定システム「kReadability」について

    • URL

      https://hjlim.jp/

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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