研究課題/領域番号 |
19K00795
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研究機関 | 北海道科学大学 |
研究代表者 |
大野 拓恵 北海道科学大学, 薬学部, 教授 (50586138)
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研究分担者 |
加藤 隆治 北海道科学大学, 薬学部, 准教授 (60305935)
板倉 宏予 北海道科学大学, 薬学部, 准教授 (40438388)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 薬学部英語教育 / ESP教育 / 授業外における英語教育 / アンケート調査 |
研究実績の概要 |
当初の予定では、本研究がカバーしようとしていたのは、1) 薬剤師の英語需要の実態をまとめ、2) 国内の約70の薬科大学および薬学部の英語教育の実態を、「授業内」と「授業外」の2面に大別して調査を進め、最終的にはこれら1) 2)の結果を基に、3) 薬学部の英語教師のネットワークづくりの可能性を視野に入れながら、薬学部における英語教育の情報共有を図る、ということであったが、予想外に長く続くコロナ禍に、それが収まるのを待ちながら結局は3年間思うように計画を進めることができない状況が続いた。22年度の研究実績としては、①はコロナの状況がなかなかおさまらないことに見切りをつけて、当初の研究計画を再度見直し、この状況下でできるものに修正・変更を行った。②あわせて、学生の卒業研究指導の一環で、「薬剤師の外国人患者対応に関する意識調査」を通訳ツールの使用を切り口に調査を行った。③またこの3月、勤務校で3年ぶりにハワイ大学語学研修が再開され、参加者にアンケート調査を行った。 ①については「今後の研究の推進方策」の項で述べる。 ②については、上記目的1)の関連で、現場の薬剤師が実際の外国人対応に自己の英語力や対応の満足度など、どのような意識をもって臨んでいるか、通訳ツールの使用実態と併せてオンラインにてアンケート調査を行い、現在論文を作成中である。 ③については受け入れ側のハワイ大学もコロナ禍で様変わりしており、事前に研修中の活動を先方と決めていく中でいろいろと制約もあったが、やっと再開できたということで参加者を対象にアンケートを行い、上記2)の関連で、これまでのハワイ大学語学研修参加者から評価・感想を聞き取る調査とあわせて、分析対象データとして蓄積した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
初年度、学会発表、研究会参加など、春休みを中心に計画していた研究活動が、コロナ禍のためすべてが中止となって以来、研究期間のすべてをコロナ禍で身動きの取れない状況にさせられている。コロナ禍での他大学の教育状況を調査するなど、計画の一部変更も考えたが、本来の研究目的からすると、やはり特殊な状況下での事象を調査対象にすることには踏み切れず、結局今年度も、もう少しコロナ禍の状況が良くなるのを待ちながら、本流ではない関連の調査を行いデータを蓄積するにとどまった1年間であった。 現在は、これ以上足踏みをしていられない状況を鑑みて、結局、研究計画を大幅に変更し、他大学に対して行う調査項目もこの状況に合わせたものに作成し直し、実査に向けて準備をしているところである。また、コロナ禍以前から準備をしていた、薬剤師の英語能力に関する投稿論文は、コロナ禍の時勢にそぐわないとの判断から投稿がはばかられていたが、再度投稿に向けて改稿しているところである。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍によって進捗が大きく阻まれていた状況もようやく終息の兆しが見えてきた印象がある。しかしながら残された研究期間と、本研究がもともと目指していた内容をつき合わせると、当初の計画のまますべてを行うことが難しいと考え、以下の優先順位を設け、データをまとめていく。 最優先とするのは他薬科大学および薬学部の教員を対象としたアンケート調査で、予定していた調査項目を修正したものを最終版へと整えるとともに、リサーチ会社を選定し実査に入る。当初は調査対象を英語教員のみに想定していたが、比較する意図で薬学専門科目の教員も含む方向で考えている。 次に、薬剤師の英語需要実態については、新たに加わったデータを合わせて早々にまとめあげ、何らかの形で発表する。また、大学全体のカリキュラム改革が行われることになり、2024年度からは薬学部独自の英語教育ができなくなるため、後の参考となればという意図で、本学部の「授業内」「授業外」の英語教育についてこれまでの軌跡をまとめる。 以上のことから、当初の計画から大きく欠落する部分は、他大学の英語教育実践についての見学や聞き取りとなるが、アンケート調査項目の工夫で少しでも情報を収集できるようにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度に引き続きコロナ禍の状況が続いており、当初の計画通りに研究を進めていくことができない可能性が生じ、進め方を再度検討していく中で、できるだけその修正案の可能性を広げるために、なるべく科研費からの支出を控えようとしたため。今後、使用額の多くはリサーチ会社へのアンケート調査依頼に当てられる予定である。
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