• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2019 年度 実施状況報告書

英語圏の外国語教育の目的・現状調査に基づく、英語と連携するフランス語教授法の構築

研究課題

研究課題/領域番号 19K00813
研究機関甲南大学

研究代表者

中村 典子  甲南大学, 国際言語文化センター, 教授 (70299064)

研究分担者 西山 教行  京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (30313498)
大木 充  京都大学, 人間・環境学研究科, 名誉教授 (60129947)
國枝 孝弘  慶應義塾大学, 総合政策学部(藤沢), 教授 (70286623)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードフランス語教育 / フランス語教授法 / 英語圏の外国語教育 / 発言力を高める教材の構築 / French Didactics
研究実績の概要

本研究では、英語圏の外国語教育の目的・現状調査に基づき、英語と連携するフランス語教授法を構築し、実際に教材を作成後、授業での使用を経て、その有効性を検証する計画を立てている。
研究初年度にあたる令和元年度は、当初の計画に沿って、研究代表者がイギリスのブリストルで開催された学会(Association for French Language Studies Conference 2019)に参加し、イギリスにおけるフランス語教育に関して、複数の英語母語話者にインタビューを実施することができた。また、研究代表者は、カナダのオタワで開催された学会(2019 International Conference on Task-Based Language Teaching)にも参加し、英語・フランス語の2言語使用が推奨されているバイリンガル都市オタワにおいて、カナダ連邦政府の公務員に求められる「英仏バイリンガル」の能力養成のための機関を訪ね、インタビューを行うことができた。
英語と連携するフランス語教授法を構築するためのアンケート調査に関しては、研究代表者が令和元年度、大学1年生のフランス語学習者、約100人を対象として、パイロット調査を実施することができた。今後、研究分担者たちと、アンケート調査の項目の検討を行い、できるだけ大規模なアンケート調査となるよう、協力者を広く募った上で実施し、集計して分析する。そして、英語と連携するフランス語教授法を構築し、実際に教材を作成後、授業での使用を経て、その有効性を検証する計画である。
なお、研究分担者の西山と研究代表者の中村は、令和元年9月中旬にモンゴル国立大学で開かれたアジア・太平洋地域のフランス語教育学会に参加して各自発表を行った。英語圏と直接的な関係はないが、カナダの2言語教育についての発表を聞けたので参考になった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の計画では、本研究にかかわる研究者4人全員で数回、会議を行う予定であったが、全員の予定を合わせるのが難しかったため、研究代表者が、それぞれの研究分担者と個別に複数回、会った際に、研究の方向性について話し合った。だが、総合的に考えると、予定よりもやや遅れているため、令和2年度は、オンライン会議にて共同研究を進める。
なお、英語圏の外国語教育の目的・現状調査研究については、予定通りに順調に進んでおり、令和3年7月には、アメリカのルイジアナ州で開かれるAmerican Association of Teachers of Frenchの大会にて、研究代表者が1時間の発表をすることが決定している。(令和2年7月に予定されていたカナダ・ケベック州での同大会が1年延期されたことにより、発表予定者の権利が令和3年7月の大会に引き継がれることになったため)

今後の研究の推進方策

令和2年度は、英語と連携するフランス語教授法を構築するためのアンケート調査に力点を置く。学会等のメーリングリストを活用し、多くの協力者を募る予定である。また、定量調査であるアンケート調査以外に、定性調査であるインタビュー調査を、教員および学習者に対して個別に実施することにより、潜在レベルの希望なども見出したいと考えている。
令和2年度の後半以降に、できれば海外から、英語母語話者でフランス語教育に従事する研究者を基調講演者として招聘し、国際研究集会を開催することを企図している。英語母語話者のフランス語教育についての考え方について、国内の外国語教育担当者・研究者に広く知ってもらった上で多角的に討論を行う予定である。
なお、令和2年度の後半から教授法の構築に具体的に取り組む。学習者がまとまった内容を発言しやすくなるような仕組みを取り入れた教材の作成に取り掛かり、コード・スイッチングや、言語の異なる人々と意見交換するための異文化間能力の養成も射程に入れる。
コミュニケーションにおけるアウトプット面の強化については、英語圏の教材やフランスの口頭試問の方法を参考にしつつ、日本の学生の反応・意見を個別にヒアリングすることで、日本人学習者の発言力が向上するような仕組みを考案したい。

次年度使用額が生じた理由

令和元年度は、国際学会に参加する予定であった研究分担者たちが、他の研究活動と重なったり、体調を崩したりしたため、結果的に、予定していた国際学会に参加できなかった。
令和2年度は、秋以降に国際共同研究を実現したいと考えているほか、アンケート調査を実施するにあたっては、できるだけ大規模な調査となるように入念に準備する。そして、当初の計画にはなかったが、定性調査として、教員や学習者に個別にインタビューすることを通じて、英語もフランス語も並行して学びたい学生たちの希望を具体的にキャッチする。
なお、コロナウィルスの影響により、大学の授業がオンライン対応となっている事情に鑑み、オンライン上での教材開発に研究費を使う可能性も考えている。

  • 研究成果

    (14件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 6件、 招待講演 6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Certaines differences interculturelles a respecter dans le cadre des exercices de communication en classe de FLE2020

    • 著者名/発表者名
      NAKAMURA Noriko
    • 雑誌名

      - online

      巻: ー ページ: ―

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 國枝孝弘「外国語学習における相互文化教育を通したリフレクションと批判精神の育成について」2019

    • 著者名/発表者名
      國枝孝弘
    • 雑誌名

      KEIO SFC JOURNAL

      巻: Vol.19 No.2 ページ: pp.176-190

  • [学会発表] CEFRの評価水準「共通参照レベル」と新しい展開「仲介」2020

    • 著者名/発表者名
      大木充
    • 学会等名
      明治学院大学
    • 招待講演
  • [学会発表] Certaines differences interculturelles a respecter dans le cadre des exercices de communication en classe de FLE2019

    • 著者名/発表者名
      NAKAMURA Noriko
    • 学会等名
      Colloque international conjoint 2019 a l'Universite Nationale de Mongolie
    • 国際学会
  • [学会発表] Pour une philosophie du plurilinguisme dans l'Asie-Pacifique2019

    • 著者名/発表者名
      NISHIYAMA Noriyuki
    • 学会等名
      Colloque international conjoint 2019 a l'Universite Nationale de Mongolie
    • 国際学会
  • [学会発表] Reflexion et esprit critique a travers l'education interculturelle2019

    • 著者名/発表者名
      KUNIEDA Takahiro
    • 学会等名
      8eme congres international de l'association Education et diversite linguistique et culturelle, Lisbonne
    • 国際学会
  • [学会発表] Rencontre avec le francais comme experience postcoloniale2019

    • 著者名/発表者名
      NISHIYAMA Noriyuki
    • 学会等名
      Institut universitaire d'Enseignement du Francais langue etrangere (IEFE) a l'universite Paul Valery (Montpellier 3)
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Comment sensibiliser la diversite linguistique et culturelle en faveur de l'enseignement / apprentissage du francais ?2019

    • 著者名/発表者名
      NISHIYAMA Noriyuki
    • 学会等名
      XIIe Forum francophone du pacifique
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] L'interculturel dans la societe japonaise, d'hier et d'aujourd'hui2019

    • 著者名/発表者名
      NISHIYAMA Noriyuki
    • 学会等名
      cours de licence de semiologie de Elatiana Razafi (universite de la Nouvelle Caledonie)
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] CEFR一般とその増補版で明らかになったことについて2019

    • 著者名/発表者名
      大木充
    • 学会等名
      文化庁
    • 招待講演
  • [学会発表] 複言語主義のアプローチによるフランス語教育2019

    • 著者名/発表者名
      西山教行
    • 学会等名
      北海道大学国際シンポジウム「アジア多層言語社会と複言語主義」
    • 招待講演
  • [学会発表] ヨーロッパ:多言語世界の歴史と現在を知る2019

    • 著者名/発表者名
      西山教行、國枝孝弘、平松尚子
    • 学会等名
      日本フランス語教育学会
  • [学会発表] ヨーロッパの言語文化をどのように教えるか、どのように学ぶか2019

    • 著者名/発表者名
      西山教行、國枝孝弘、平松尚子
    • 学会等名
      フランス語教授法研究会
  • [図書] 多言語世界ヨーロッパ―歴史・EU・多国籍企業・英語2019

    • 著者名/発表者名
      クロード・トリュショ著、西山教行・國枝孝弘・平松尚子訳
    • 総ページ数
      232
    • 出版者
      大修館書店
    • ISBN
      9784469246261

URL: 

公開日: 2021-01-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi