研究課題/領域番号 |
19K00817
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
磯部 美穂 信州大学, 学術研究院人文科学系, 准教授 (60579853)
|
研究分担者 |
円谷 友英 兵庫県立大学, 情報科学研究科, 教授 (10346702)
クラウス マヌエル・フィリップ 早稲田大学, 商学学術院, 准教授 (20788319)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 外国語作文 / 表現の選択傾向 / テキストジャンル |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,外国語作文の作成過程において,学習者が選択する表現の傾向を尊重しながら,母語話者の選択する表現との乖離性を削減していくことにある。学習者自らが適切な表現を選択し,可能な限り添削作業が削減されるような,システムの構築を目指している。2021年度は,学習目的言語であるドイツ語母語話者および非母語話者の添削過程に共通する作業に着目し,日本人ドイツ語学習者の作成した作文のテキストジャンル上の特徴を明らかにした。 平均的な日本人大学生が英語以外の外国語で作成した作文には,情報の伝達をする客観的なテキストと思考内容を伝達する主観的なテキストの特徴がみられた。まずは,学習者テキストの特徴を数値的に可視化するため,母語話者によって作成されたテキストをそれぞれのテキスト機能別に客観的テキストと主観的テキストに分類し,それぞれ品詞分析をおこなった。続いて,学習者テキストと3つのテキストを分析し,頻出する品詞の頻度を調査したところ,文を結合する要素として文頭に置かれる語の選択に,各テキストジャンルに共通する傾向を確認することができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
感染症の状況により,学習者の作文データの収集が計画通りに進行することができず,また,学習環境の急速なデジタル化が進んだことから,これまでとは質的に異なるデータが収集された。
|
今後の研究の推進方策 |
学習環境のデジタル化を考慮し,学習者のデジタル機器の使用状況,翻訳アプリなどの質的検証を行う予定である。その上で,効果的な外国語作文の作成方法・学習方法を支援するシステムの構築を目指す。
|
次年度使用額が生じた理由 |
感染症の拡大により研究打ち合わせの開催,国際会議への参加を断念せざるを得なかった。予定していた旅費等は,2022年度に実施する研究打ち合わせおよび国際会議への出席に使用する。
|