研究課題/領域番号 |
19K00818
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
宇都木 昭 名古屋大学, 人文学研究科, 教授 (60548999)
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研究分担者 |
キム ミンス 東海大学, 国際教育センター, 准教授 (20734833)
神長 伸幸 ミイダス株式会社(HRサイエンス研究所), HRサイエンス研究所, ゼネラルマネジャー (90435652)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 韓国語 / 朝鮮語 / 文字習得 / 読み書き / ハングル / 第二言語習得 / 正書法の深さ / 発達性ディスレクシア |
研究実績の概要 |
本研究課題は、日本の韓国語学習者における文字(ハングル)習得の過程と個人差について、オンラインテストを通じて調べている。2023年度までに実施した第一段階の調査では、単音節の音声を聞き該当するハングルを選択するというオンラインテストを行った。この結果を分析し、国際韓国語教育学会の学会誌 Journal of Korean Language Education に投稿したものが、2023年6月に掲載された。この論文では、学習者のスコアのばらつきに注目し、全体的には高スコアであったが中には低スコアの学習者群がいることを明らかにした。さらに、全体的にw音とかかわる文字において困難度が増すことも明らかにした。 また、2022年度から2023年度にかけて、第二段階の調査として、第一段階のテスト項目に追加するかたちで、正書法の「深さ」に関するテスト項目を入れた。正書法の深さは、言語の書記体系が音素レベルをどの程度直接的に反映しているかに関するものである。英語の正書法は音素と綴りの対応関係が複雑であり、深い正書法となっている。韓国語は、単音節を見る限り浅い正書法であるかのように見えるが、単語のレベルでは文字と発音の対応関係において形態音韻規則がかかわっており、形態音韻論でいうところの基底形に相当するような表記をするため、深い正書法になっているといえる。このような正書法の深さに関するテストにおいて、学習者にどのような差異がみられるかを調べることが、この第二段階調査の目的である。調査は2023年度末までに終了し、分析を進めている。
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