研究課題/領域番号 |
19K00821
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
箱崎 雄子 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (50351490)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 小学校 / 英語教育 / 音声指導 |
研究実績の概要 |
英語によるコミュニケーションにおいて、語強勢、リズム(文強勢)、イントネーションなどの超分節的特徴は意味の伝達において重要な役割を果たすことから、学習者の明瞭性向上に大きな影響を及ぼすといわれている。本研究は、小学校児童を対象に英語の超分節的特徴に焦点を当てた音声指導を行い、客観的な方法でデータを収集・分析した上で、超分節的特徴の習得を目指した音声指導法を提案することを目指している。 本年度は、超分節的特徴の一つであるリズム(文強勢)の明示的な指導の有効性を探る目的で、小学校児童を対象に以下の研究を行った。第一に、文強勢のある箇所に記号を付与することで英語の等時性を視覚化した英文を用いて、Berman(1998)が提唱する3つの学習スタイル(visual、auditory、kinesthetic)に基づいて3つの練習法(強く読むところで体を動かす方法、リズムに合わせて読む方法、音楽に合わせて読む方法)を取り入れた音声指導を行い、その有効性を児童の内省(ふり返り)を通して探り、指導法に関する児童の好みと内省の浅深の度合いとの関連性を明らかにした。第二に、英語の超分節的特徴に焦点を当てた音声指導によって明瞭性が向上した児童がどのような気づきをしたかを明らかにするために、明瞭性の成績の伸びと児童の内省の浅深の度合いとの関連性を検証した。第三に、リズム(文強勢)の提示方法の違いによる効果を検証する目的で、3つの練習法(聴覚提示のみ、視覚提示のみ、視覚・聴覚の両方提示)を取り入れ、提示方法の違いが明瞭性の向上に及ぼす影響を調査した。最後に、音声学のテキスト等で使用されているリズム(文強勢)の表記法の中から3つの方法(強勢のある音節の色を変える、強勢のある音節の大きさを変える、強勢のある音節に黒丸をつける)を提示し、表記法の違いが明瞭性の向上に及ぼす影響を調査した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大予防策の一環として、調査対象の小学校が臨時休業となり、当初予定していた調査を行うことができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
調査参加者(小学校中学年児童及び高学年児童)を対象に、リズム(文強勢)の提示方法の違いが明瞭性の向上に及ぼす影響を検証する目的で、3つの練習法(聴覚提示のみ、視覚提示のみ、視覚・聴覚の両方提示)を取り入れ、継続的に指導を行う。また、リズム(文強勢)の表記法の違いが明瞭性の向上に及ぼす影響を検証する目的で、3つの表記法(強勢のある音節の色を変える、強勢のある音節の大きさを変える、強勢のある音節に黒丸をつける)を提示し、継続的に指導を行う。検証結果をもとに、超分節的特徴の習得を目指した音声指導法を提案する。その後、提案した音声指導法を用いて、中学年児童及び高学年児童を対象に継続的に指導を行う。最終的に、超分節的特徴の習得を目指した音声指導法をまとめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大予防策の一環として、調査対象の小学校が臨時休業となり、当初予定していた調査を行うことができなかったため次年度使用額が生じた。なお、調査対象校が再開され、調査実施が可能となり次第、調査を行うことにしている。
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