研究課題/領域番号 |
19K00830
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研究機関 | 玉川大学 |
研究代表者 |
森本 俊 玉川大学, 文学部, 准教授 (40755899)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 動機減退 / 教師要因 / 動機付け / 計量テキスト分析 / 英語学習 |
研究実績の概要 |
前年度の文献研究を踏まえ,本年度は学習者の英語学習に対する動機づけを減退させる教師要因を具体的に同定すべく,計量テキスト分析を用いた研究を実施した。成果は「計量テキスト分析を用いた学習者の動機づけを減退させる英語教師要因の研究」という標題で,『論叢』玉川大学文学部紀要第61号,pp. 1~26に収録された。 本研究では,関東圏の2つの私立大学に通う302名の大学生を対象に,中学・高等学校を振り返り,英語学習へのやる気の低下に繋がった教師の特徴を記述するよう求めるアンケート調査を実施した。回答のテキストデータに対し,計量テキスト分析ツール(KH Coder 3)を用いて抽出語の頻度分析及びKWIC(Key word in context)コンコーダンス分析を行った。その結果,先行研究において挙げられてきた全ての教師要因に関連する記述が得られたと同時に,「質問・相談に対する不適切な対応」や「説明・解説の欠如」といった,これまで焦点が当たってこなかった新たな要因の存在が示唆された。本研究を通し,計量テキスト分析が動機減退の実態をより詳細に捉える上で有用なツールであることを論じた。 上記研究を踏まえ,動機減退を引き起こす教師要因がリストされてきたため,次年度に向けて要因の下位区分化や要因間の関係について考察を重ねた。また,アンケートから得られたデータをデータベース化し,教職志望の学生や現職の教師にとって有用な形で情報提供をできるよう試みを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度は新型コロナウィルス感染症拡大に伴うオンライン授業対応等に追われ,当初予定していた研究計画の見直しをせざるを得ない状況となった。現職の教員に対するインタビュー調査等についても実施が困難であったため,計量テキスト分析を用いた研究に重点的に取り組むこととした。
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今後の研究の推進方策 |
英語学習に対する動機付けを減退させる教師要因に関する研究が概ね完了し,今後は得られた知見を英語教員養成においてどのように活かすことができるかについて探究を行いたい。具体的には,英語教員養成コースに在籍している学生を対象とした授業において,上記テーマに関するアクティブラーニングを行い,教職志望の学生に対してどの程度有用な内容になるのかを調査することとしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症拡大のため,旅費が不要となったため。次年度についても感染症の状況がどのようになるか不透明なため,状況に応じて適宜調整を図りながら使用していきたい。
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