研究課題/領域番号 |
19K00831
|
研究機関 | 千葉商科大学 |
研究代表者 |
山内 真理 千葉商科大学, 商経学部, 教授 (40411863)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | WTC / L2不安 / ICC / ビデオ会議でのコミュニケーション |
研究実績の概要 |
2020年度当初は、後期に交流プロジェクトを実施する計画であった。しかし、本研究課題で設計したプロジェクトは、交流相手に伝える内容を話し合い、伝え方・見せ方を工夫するクラス内のグループワークを前提とする。対面では会ったことのないクラスメートとの遠隔環境での協働は実施困難と判断した。それに代わって、ビデオ会議の急速な一般化を受け、「同期型」の交流活動を試行し、ビデオ会議における日本人学生のコミュニケーション行動を観察することにした。実施した活動は、(1) オーストラリアの日本語学習者(学生、社会人)との週1回の自由参加型交流と、(2) 授業時間内に実施したアメリカの学部卒業生(研究協力者)とのグループ会話である、(3) 英語の授業内活動としての日本人同士のグループ会話である。初対面ないし親しくなっていない人とのコミュニケーションに対して苦手感・不安感をもつ日本人学生の傾向は以前の研究でも観察されていたが、(1)から(3) の実践を通して、ビデオ会議の環境ではその傾向が強まることが確認された。当初の不安感は経験を重ねることで解消されるのだが、(1)、(2)、(3) のいずれについても「目標」設定、表現等の「準備」、そして「振り返り」活動(それに対する教員からのフィードバック)を組み込むことで、自己評価の適正化が促進されうることが観察された。なお、パフォーマンス観察のために、ビデオ会議の多くを録画してある。(2) については、一方では、研究協力者の振り返り報告および中間/事後インタビューを通して、アメリカ文化を背景とする学生が、ほぼ同年代の日本人学生のコミュニケーション行動について、どんな点でどのような戸惑いや困難を感じるのかを検討した。そのようなコミュニケーション行動の理由を探るために、日本人学生に対しても、振り返り課題に加えて中間/事後インタビューを行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年度は年間を通して 新型コロナウィルス感染症対策としての遠隔授業への対応(教員支援と学内調整)に時間をとられ、2021年度も、新型コロナウィルス感染症の状況に応じた授業方式の方針変更や活動制限のある対面授業への対応に追われており、本研究課題のために時間を配分することがほとんどできない状況が続いている。
|
今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルス感染症の状況がいつ落ち着くのか先が見えない状況であり、2021年度 (以降)は、非常勤の先生方も含めて「状況に応じた授業方式の変更」に対応する必要がある。研究課題のための時間を確保することが昨年度より容易になるかどうか全く読めないのが現状である。昨年度やり残しているデータ分析を行い、そして今年度は非同期型交流として FlipGrid を使った個人動画でのクラス内・クラス間交流を実施する予定であるが、研究期間を延長せざるを得ない可能性がある。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2020年度は、国際学会参加のための旅費が不要になった。2021年度も学会参加はオンラインになると考えられ、旅費はかからない可能性が高い。対面授業環境でのビデオ会議による交流 (ハイフレックスタイプ) を試行するための教室用マイク・スピーカーを購入する予定である。また、動画データの保存用にハードディスクを追加購入する。
|