研究課題/領域番号 |
19K00836
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
岩本 典子 東洋大学, 理工学部, 教授 (40568060)
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研究分担者 |
吉田 宏予 東洋大学, 理工学部, 教授 (00320789)
Schulman Maichel 東洋大学, 理工学部, 准教授 (50328647)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 英語教育学 / キャリア教育 / L2可能自己 / 英語学習モチベーション |
研究実績の概要 |
本研究は、理工学部生のL2可能自己を反映させたキャリア教育エクササイズを考案し、効果的な指導方法を開発することを目的とする。研究初年度は理工学部生のL2可能自己について調査をおこなった。文献研究と予備調査結果に基づきL2可能自己アンケートを作成し、7月に1,2年生を対象に実施した。アンケート結果から、理工学部生は、将来英語で日常会話をしたり、意見を述べたりするなど、英語でコミュニケーションを取る姿を「理想自己」とすることが分かった。さらに彼らの多くは、就職活動のため、教養のため、他者から認められるために英語を勉強しなければならないという「義務自己」を持っていた。次に、TOEICテストスコアに基づき、英語習熟度の高い学生100名(500点以上)と低い学生100名(200点前後)の理想自己と義務自己を比較したところ、習熟度の高い学生は理想自己が有意に高く、一方で習熟度の低い学生は義務自己が有意に高いという結果が出た。 続いて30名に個別インタビューを実施し、理想自己と義務自己について質的調査をおこなった。就きたい職業が決まっている学生は、将来仕事で英語を使用することが英語学習のモチベーションと結びついていた。一方で、それ以外の学生の多くは、趣味や教養のために英語を使用するイメージが、モチベーションとなっていることが分かった。 EFLコンテキストで英語を学ぶ日本人学生は、英語スピーキングが苦手な者が多い。しかし今回の調査結果から、研究対象の理工学部生の理想自己は、英語でコミュニケーションを取る姿であることが明らかになった。さらにインタビュー結果から、「ワークキャリア」と「ライフキャリア」の両方が英語学習モチベーションと関連していることが分かった。次年度からはこれらの結果に基づいた、キャリア教育エクササイズを考案・実施していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アンケート調査とインタビュー調査を計画通り行うことが出来た。国内研究会でアンケート調査結果の発表をおこなった。国際学会でも発表予定であったが、コロナウィルスのため延期となった。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度は、今年度の結果に基づいたキャリア教育エクササイズの考案と授業での実施を予定している。しかし、コロナウィルスのため、春学期は対面授業ができなくなる可能性があり、研究計画に遅れが生じるかもしれない。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)アンケート調査をウェブ上で実施したため、マークシート購入費とデータ集計アルバイト人件費が掛からなかった。また、国際学会での発表を予定していたが、コロナウィルスのため次年度に延期になった。そのため翌年度以降への繰り越しが生じた。 (使用計画)統計分析やキャリア教育関連の書籍を購入する。インタビュー調査を実施するため、謝礼品を購入予定である。国際学会発表のため、参加費と旅費を計上する予定である。
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