研究課題/領域番号 |
19K00837
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
大須賀 直子 明治大学, 国際日本学部, 専任教授 (40514162)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | pragmatic routines / 気づき / 気づきの言語化 / 明示的な語用論指導 |
研究実績の概要 |
2021年度は本調査をようやく実施することができた。本調査では、2つのResearch Questions(RQs)を設定した。RQ1は、明示的な語用論指導はpragmatic routinesの習得に影響を与えるのかを探ること、RQ2は、気づきを言語化した場合と、言語化しない場合では習得に差が出るのかを探ることである。これらの目的のために、大学生2グループを設定し(A:16人、B:17人)、それぞれに3回(各1時間)に渡り、pragmatic routinesを中心とした明示的な語用論指導をおこなった。2グループへの指導の違いは、Aグループには気づきの言語化を課し、Bグループには課さなかったことのみで、その他の指導内容はすべて同じだった。また、全員にpre-test、post-test、delayed-post-test(約1カ月後)を課し、pragmatic routinesの使用頻度がどのように変わるかを測った。テストから得たデータは、カイ二乗検定、フィッシャーの直接確率検定を用いて分析した。 まずRQ1だが、pre-testとpost-testの結果を比較した結果、対象とした20のpragmatic routines のうち、15のpragmatic routinesにおいて使用頻度が統計的に有意に増加した。また、post-testとdelayed-post-testの結果を比較した結果、使用頻度が有意に減少したのは1つのみだった。以上の結果から、明示的指導はpragmatic routinesの習得に短期的にも中期的にも大きな効果があることが示唆された。次にRQ2だが、2グループのpragmatic routinesの使用頻度に有意な差が見られたのは2項目においてのみであった。この結果から、気づきの言語化はpragmatic routinesの習得にあまり影響しないことがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度に行なう予定だった本調査がコロナ禍のために実施できず、結局2021年度に行なうことになったため。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は対面とオンラインを併用してデータを収集することができた。2022年度は収集したデータを精緻に分析し、論文にして発表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定では、2020年度に本調査を行ない、2021年度に分析、論文執筆を行なう予定だったが、コロナ禍の影響で本調査を実施できたのが2021年度だった。その結果、研究計画全体の遂行が1年遅れてしまたため。
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