研究課題/領域番号 |
19K00844
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
菅原 健太 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (20635833)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ビジョン / 自己 / 動機づけ / エンゲージメント / 浮力 / 自己調整 / 不安 / 日本人英語学習者 |
研究実績の概要 |
当該年度では、前年度に続き、日本人青年期層の英語使用者としてのビジョンと英語学習にエンゲージメントできる条件を生態学的な視点から理解することに向けて、文献レビューとデータの分析を実施した。その結果、本研究でも、先行研究(Dornyei, 2020)での考察通り、ビジョンの強化やエンゲージメントを促す条件の抽出には、可能自己や自己不一致の視点に加え、メンタル・コントラスト(Oettingen et al., 2018)の考え方が、有用であることが明らかになった。以上の内容について、研究代表者は、学術図書「国際地域研究Ⅲ」の第7章に記述し、研究経過の公表を目指した。また、日本人学生から収集した量的データを用いて、因子分析や重回帰分析等を行う中で、ビジョンの強化を促す内的構造が一部、明らかになった。さらに、記述データの分析を通じて、エンゲージメントの維持を可能にする要素として、クラスメイト・教師・家族等による発達を促すサポート、ロールモデルによる働きかけ、そして、学習が停滞したときに回復をもたらす「浮力」(academic buoyancy)(Martin & Marsh (2008, 2009)が浮上した。以上の結果・考察の一部について、研究代表者は、ペーパープレゼンテーションの形でまとめ、その資料を「AAAL 2021 virtual conference」で公表した。その他、ビションとエンゲージメントの視点から、日本人中学生の英語学習における目標・不安・自己調整に注目した研究を研究代表者は実施した。その結果、英語学習に辛抱強く取組める条件の一部が明確になった。以上の内容をまとめた論文を大学紀要に投稿し、公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
COVID-19感染症対策が関わって、当初から参加を計画していた国際会議がオンライン開催または中止となり、情報収集が十分にできなかった部分もあった。しかし、当該年度に計画していた研究活動はおおむね実行でき、その成果も国際会議で公表できたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究として、初年度から現在に至るまで実施してきた研究を論文にまとめ、研究成果の公表を目指す。そのために、結果のまとめと考察に力を入れる。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究成果の公表のため、参加を計画していた国際会議がオンライン開催(AAAL 2021 Virtual Conference)となり、旅費が生じなかったため。また、情報収集のため、参加を計画していた国際会議(PLL4 conference)が延期となり、旅費が生じなかったため。
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