研究課題/領域番号 |
19K00851
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
糸魚川 美樹 愛知県立大学, 外国語学部, 准教授 (10405152)
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研究分担者 |
塚原 信行 京都大学, 国際高等教育院, 教授 (20405153)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | スペイン語 / ジェンダー / 外国語教育 / 社会言語学 |
研究実績の概要 |
2021年度については、まず前半で過去2年間の成果をまとめ発表し、後半ではスペイン語におけるジェンダーニュートラルな用法としてのlenguaje inclusivo(包括的言語使用)に関する調査と分析を進めること、当該分野と教育との関連について考察を進め、大学のスペイン語教育において文法上の性をどう扱うべきかという問いとそれに対する回答試案を提示した。研究発表のおもなものは次のとおりである。 (1)日本ロマンス語学会第59回大会統一テーマ「ロマンス諸語における社会言語学」において「包括的言語使用をめぐる議論&-スペイン語を例に」という題目で研究発表をおこない、同学会誌『ロマンス語研究』に投稿し、掲載が決まっている(「ジェンダーに関する包括的言語使用(lenguaje inclusivo)について」)。本論文では、スペイン語の包括的言語使用の紹介と、それに反対する言説を社会言語学の視点から分析した。 (2)日本語母語話者がスペイン語を学習する際のジェンダーの問題について、日本の自治体のジェンダー表現指針とマイクロ・アグレッションの視点から分析し、その結果の一部をCongreso Internacional de Diversidad Sexual y Genero en la Educacion, la Filologia y las Artes(教育、文献学、芸術における性的多様性の国際学会)において発表した。 (3)関西スペイン語研究会において、これまで収集したlenguaje inclusivoに関する資料の紹介とその扱い方について報告した。さまざまな動画配信サービスの活用により、視聴地域により一部限定はされるが、スペイン語圏での音声データも収集することが可能となり、分析の対象が広がっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度に引き続き、新型コロナウィルス感染拡大の影響により、スペイン語圏での調査ができていないことによる。他方、スペイン国営放送(RTVE)の動画配信サービスの開始により、当初予定していなかった、スペイン語のlenguaje inclusivoに関するマスメディアでの議論や使用に関する調査を実施した。
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今後の研究の推進方策 |
ひきつづき、スペイン語のジェンダーを、規範、ジェンダー表現ガイドライン、実践、教育の4点からとらえ、外国語教育におけるジェンダーニュートラルな使用と教育内容のありかについて検討していく。インターネットを有効利用し、文字以外の資料収集を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年3月からの新型コロナウィルス感染拡大の影響により、国外での調査が実施できなかった。2022年度は、スペインでの調査を予定しており、計画的に執行できる予定である。
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