研究実績の概要 |
日本人英語学習者を対象に、様々な処理側面(音声・統語・意味・語用論)に注意を向けてシャドーイングのトレーニングを行い、音声知覚・構音速度・産出時のプロソディ(ピッチ・インテンシティ幅)に影響がみられるのか調査した。その結果、プロソディシャドーイング同様、特定のコンテンツ(統語・意味・語用論)に注意を向けてシャドーイングを行った際においても、特定の音声処理側面(音声知覚・構音速度)においては向上がみられることを明らにした。特に、第二言語学習者にとって処理負荷の高い統語側面(Nakanishi & Yokokawa,2011)に注意を向けてシャドーイング行った場合においても、一定の効果がみられた。 この研究結果を論文にまとめ、Journal of the Japan Society for Speech Sciencesに投稿し、採択された。Nakanishi, H. (2020) Effects of Content Shadowing Training for Japanese EFL Learners on Sound Perception Skills, Realization of Prosody, and Articulation Rates, Journal of the Japan Society for Speech Sciences,21, pp.39-60. 次の実験では、上記の枠組みを利用して、統語・意味・語用論に注意を向けたコンテンツシャドーイングが、リスニング理解度・発音の正確性にいかに影響するのか調査をする予定である。また、前回実験でプロソディ側面の向上がみられなかった理由の1つに、トレーニング回数の不足が考えられる。次回の実験では、トレーニング回数を操作して、上記の指標に対する効果を調査する予定であり、現在、その実験文を作成しているところである。
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