研究実績の概要 |
最終年度、倫理的配慮をしながら、①昨年度開発したチェックリストの更なる信頼度の検証、②チェックリストの使用について、実践教師に対するインタビューの質的分析、③一斉授業の中での児童生徒の特性やニーズに合わせた個別支援について、その実践に成功している学校視察を行った。 ①については、小学5年生156名を対象に,指導者にチェックリストで3段階評価して貰った。「チェックリスト」でのアセスメントは,適応行動10項目と学習困難10項目の2領域で構成されており,各領域には3つの下位区分があり,適応行動の「感覚」を除いて、2領域の内的整合性は共にCronbach α が.90以上という高い信頼性を得た。 ②のインタビュー対象者は、小学校教諭が2名,小学校外国語専科教員が2名,小学校特別支援・外国語専科教員が1名,中学校教諭が1名の計6名である。録音を文字起こししたもののテーマ分析とオープンエンドなフォーカスインタビューを通し,チェックリストは簡便に使用できることが改めて確認された。このチェックリストの使用で,教師は自身の授業を省察・改善し,さらに発展させるReflective practiceを実施していた。客観的指標ができ,教師は同僚の教師と協同した支援をしていた。また、授業中に効率良く的確な手立ての判断・支援をしたいという意見があった。成果物として、活動別手立ての参照表(フローチャート)を作成できた。 ③視察したBowman Schoolは、個別指導(One on One),グループワークによるアクティブラーニング( Small Group)の実践の成功校である。長期的な到達目標の設定と評価、教師による児童生徒全員の個別指導案の作成と他者と比較することなく個人の成長に焦点を当てた指導、異学年で構成したグループでの協働学習・指導、のびのびと学習できるように工夫した教室環境作り等、参考になった。
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