研究課題/領域番号 |
19K00862
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研究機関 | 立正大学 |
研究代表者 |
亀井ダイチ 利永子 立正大学, データサイエンス学部, 准教授 (50779692)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 日本史 / 英語 / 国際的視野 / インターラクティヴ |
研究実績の概要 |
昨年度は、コロナ禍がやっと落ち着き始め移動が可能になってきたことを受け、国内での実地調査をいくつか行うことができた。 6月には、京都外国語大学、また11月と12月には青山学院大学および神田外語大学において英語で行われている日本史関連の授業にいくつか参加させてもらい、授業の構成・実施の上での工夫などの意見交換を行い、且つ学生数の多い京都外語大学では、学生の履修動機や授業に期待するもの等についてアンケート調査も行った。 今年度調査を行った3つの大学では、履修学生の数、特性(日本人学生が主か、留学生が主か、留学生が多い場合彼らの母国語は英語か否か、一方的な講義形式かディスカッション形式か等)が異なり、その点においてそれぞれの利点と問題点なども明らかにしていくことができた。また英語圏の日本史研究の現状把握の一環として、英語圏で初となる女院の研究書の書評を執筆。また先に依頼を受けていた日本史Bの教科書の英訳校閲及び再英訳を仕上げるなかで、文脈における言語使用の差などもより明確になってきた。 そうした調査結果を基に、研究実践として新たな試みを導入し始めている。 またChatGPTなどの応答型AIの広がりにより語学教育の形が多大な影響を受け始めたことを受け、それに対応しながら研究目的の国際的な視野養成の面を強化すべく、いくつかの実験を始めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍による移動制限により、国内および国外調査の予定が完全に遅れてしまったこと、また当初調整していた出張先の開講授業の変更などにより再調整が必要となり、家庭上の事情も発生し実地調査を予定よりかなり縮小して行わなければならなかったことが大きな理由として挙げられる。また昨年の遅れとも関係するが、新設学部への異動により、想定していなかった学務や学生対応が非常に多く発生し、研究の時間が削られてしまったことがある。 また学部異動により、研究実践対象となっている授業が(コロナ禍が落ちついてほとんどの授業が対面に戻ってきた後でも)オンライン開講のままにして実施しなくてはならない環境に置かれることになり、文献および実地調査において得られた知見をいかにオンランの環境の中で実践に映すか、そうした技術的な面を検討する必要が生じた。技術的な面という点で、応答型AI(ChatGPT等)の登場により、外国語教育の形が変わりつつあるなか、それらを取り入れる方法も検討すべく、そちらへの対応にも時間および労力がとられることになった。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度として、実地調査をもう少し行いながら研究成果の実践として対象授業で新しい試みを導入しながら検証を進めていく予定である。実地調査に関しては、家庭の事情から国内のみに限られてしまうかもしれないが、課外授業で活用されている歴史館や博物館等の史的展示も活用していく予定である。 また応答型AIによる語学教育の変化を研究の一部として積極的に取り入れながら、現時点までで得た知見と組み合わせ、国際的な視点を更に養うツールとして活用すべく、環境を整えていく。そしていくつかの論点などを論文化していく予定である。また英文校閲と再英訳を行った日本史Bの教科書の英文校閲・再翻訳を完成させ、共著として出版する(出版社との打ち合わせ済み)。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究期間の再延長をしたため
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