研究課題/領域番号 |
19K00875
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
趙 秀敏 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 准教授 (60733079)
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研究分担者 |
三石 大 東北大学, データ駆動科学・AI教育研究センター, 准教授 (50305306)
大河 雄一 東北大学, 教育学研究科, 助教 (60361177)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 大学初修中国語 / ブレンディッドラーニング / 会話復習 / 人工知能(AI) / スマートフォン / アプリ教材 / 教材設計 |
研究実績の概要 |
令和2(2020)年度は、大学初修中国語教育における、対面授業と連携した会話復習用AI(人工知能)アプリ教材の設計手法を明らかにし、これに基づいて実教材の設計を行った。 提案3段階学習プロセスモデルを踏まえた会話復習は、授業と連携した内容とし、また、通常の教師と学習者の一対一の会話のように、教師がリードして学習者に質問し答えさせる形式とする。さらに、会話をスムーズに、効果的に行うために、練習では、まず関連語彙の確認を行ってから、第二言語習得の「インプット仮説」に基づく理解可能なインプットを与えることとする。この練習に対して、AIの音声認識、自動判定、誤り検出の機能を活用して、学習者にフィードバックを与える。具体的には、 (1)まず、会話前の語彙確認では、学習者が発音した語彙を認識して可視化するとともに、正誤判定や誤りの検出を行う。即ち、発音が正確な場合には称賛を与え、発音に誤りがある場合は誤りの箇所を提示して再発音させる。こうしたフィードバックにより、学習者は、自身の弱点を認識・克服し、正しい発音を身につけることが期待できる。 (2)次に、会話練習では、学習者の質問に対する回答の発話を音声認識AIで可視化して、正誤判定を行う。正解の場合には称賛を与えて回答を文字で示し、不正解の場合は誤りを指摘して再回答させる。また、第二言語習得の「アウトプット仮説」を踏まえ、学習者の不完全な回答を受け入れながら、学習者に完全な回答例を与えてリピートさせる。こうしたフィードバックを通して、学習者に動機づけを与え、不十分なところに気づかせ、完全な回答ができるよう繰り返して練習させる。 以上、本教材の設計手法を明らかにし、これに基づく実教材の設計を行うことにより、効果的な教材の開発が期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和2(2020)年度は、研究計画通りにAIを活用した会話復習用アプリ教材の練習形式とフィードバックの設計の分析を行い、設計手法を明らかにするとともに、これに基づいて実教材を設計することができた。一方、コロナ禍に対応した授業運営に多大な労力を割かれたため、本教材の開発及び学習管理システムの構築に遅延が生じ、完成が今年度にずれ込む見込みとなった。
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今後の研究の推進方策 |
令和2(2020)年度において明らかにしたAI活用初修中国語会話復習用アプリ教材の設計手法に基づき、実教材の開発を行うとともに、学習管理システムを含むユビキタス学習環境を構築し、試行実験を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
【理由】令和2(2020) 年度コロナ禍による国内外学会への参加(出張)全面的取りやめ、教材開発や画面・動作確認用端末購入の延期等々により、かなりの次年度使用額が生じる結果となった。
【使用計画】令和3(2021)年度の研究遂行に必要となる会話復習AIアプリ教材の開発、学習管理システムの構築、試行実験等々のための費用に充当して、使用する予定である。
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