研究課題/領域番号 |
19K00885
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
坂本 洋子 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (30568944)
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研究分担者 |
久留 友紀子 愛知医科大学, 公私立大学の部局等, 客員研究員 (00465543)
矢野 浩二朗 大阪工業大学, 情報科学部, 准教授 (10612442)
坂田 信裕 獨協医科大学, 医学部, 教授 (50362132)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | VR / ロボット / 英語医療面接 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、医学部生を対象とした英語医療面接指導の技術向上を目的として、VR(バーチャルリアリティ)・人型ロボット連携教材を開発し、教育効果を検証することである。当該年度は、主にVRやロボットを活用して、英語医療面接を学習するための教材を試作し、改良を数回行った。まずは英語医療面接のスクリプトを作成し、そのスクリプトに基づいて、VRの中で医学部生の学習者が音声を確認したり、医師役として、患者と向きあって発音練習をすることが可能である教材を作成した。ロボットに関しても、VRと同じスクリプトを活用して、ロボットが患者役となり、学習者が医師役となって、英語医療面接の基本的な質問の表現を練習することができるような教材を作成した。その後、医学部教育を終えた研修医を対象に作成したVR教材の試行調査を行い、教材を使用した感想や改善点などを聞く予定であったが、コロナ陽性者数が全国的に高い状態で推移しており、医療従事者の医療現場での負担も増していたために、予定通りに試行調査を行うことができず、現時点では研修医1名の試行調査を終えた段階である。 VR・ロボット連携教材に関しては、医学生が主体となって、コロナ感染予防の教材を作成する試みも行った。VRでコロナ感染対策をしていない動画とコロナ感染対策をしている動画を作成し、ロボットとクイズ形式でコロナ感染予防のポイントを学べるような教材を作成した。この取り組みについては、学内の学会でポスター発表を行い、報告書として纏めた。 さらに遠隔形式での英語授業の改善や工夫を目指して、複数の大学の教員とZoomのbreakout roomを活用した英語授業の取り組みや、専門分野の異なる教員同士の相互FDの取り組みなどを行い、学会等で報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当該年度は、研修医を対象として、英語医療面接に関して試行調査を行う予定にしていたが、コロナ感染症の流行により、試行調査を予定通りに実施することができず、現時点では研修医1名の試行調査を終えた段階である。当初は医学部教育を完了し、臨床現場も経験している研修医を試行調査の対象として適任であると考えていたが、コロナ感染症による医療従事者の負担も踏まえて、調査対象を医学生に変更することも検討している。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、作成したVR教材について、研修医あるいは医学生を対象に試行調査を行い、その結果を元に、VR教材を改善し、数十名の授業等で活用することで、その教育効果を検証することを予定している。 ロボット教材についても、VR教材と並行した教材を作成し、数名の医学生での試行を行った後に、授業等で活用することを検討している。 今年度は本研究の最終年度であるために、試行調査や授業での活用で得られた知見について、学会発表や論文執筆を行い、医学部教育に還元することを目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由として主なものは、コロナ感染症の流行により、対面形式での授業や会議が制限される中で、研修医や医学生を対象とした試行調査や本調査を実施することができなかったからである。そのため調査に伴う物品購入や調査協力者への謝礼等の支出がなかった状況である。それに加えて、調査結果を踏まえて、国内外での学会発表や論文投稿を行う予定であったが、当該年度はすべての国内学会、国際学会がオンライン開催であったことから、旅費や交通費の支出がなかったために次年度使用額が生じた。 今後の使用計画としては、コロナ感染症の状況を見ながら調査を進め、学会発表や論文執筆を行う予定であり、それに伴って、調査の物品費や謝礼、学会への参加費等を支出する計画である。
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