研究課題/領域番号 |
19K00892
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研究機関 | 東京都市大学 |
研究代表者 |
稲垣 亜希子 東京都市大学, 共通教育部, 講師 (50770757)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 中間言語語用論 / 留学 / 動機づけ |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、どのような特徴を備えた英語学習者が、留学環境(StudyAbroad)における語用論的な発達を見せるのかを探るため、学習者の動機づけを中心とした個別要因と語用論的発達の相関を明らかにすることである。以下に今年度前半・後半の研究活動の状況を報告する。 1. 2019年度前半(4月~9月) 質問紙の作成および本調査開始 今年度8月から11月までの留学を予定している学生を対象とした本調査のため、4月より、語用論的動機づけ質問紙の日本語版を作成し、予備調査を数回実施した。結果を検討し改良を加え、質問紙の日本語版を完成させた。完成した質問紙および語用論的能力診断テストを使用し、8月初旬に研究対象者に対して事前テストを実施した。また、調査結果の分析・解釈を正確に進めるために必要な現地調査を8月中旬に実施した(於オーストラリア・パース)。学生が派遣されている2大学、3キャンパス全てについて、授業・寮・生活圏内の調査、および現地関係機関・スタッフへの聞き取り調査を行った。8月下旬には海外の国際学会に参加し、最新の知見を得るとともに、国内外の研究者との意見交換を行った。 2. 2019年度後半(10月~3月) 本調査の継続およびデータ分析の開始 事前テストの結果について量的なデータ分析を試み、それと並行して、11月帰国予定の研究対象者への事後テストの実施方法について関係部署との打ち合わせや準備等を行った。11月中旬、帰国学生に対する事後テストを実施し、本格的なデータ分析に着手した。途中経過として、事前テストデータの量的な分析を論文にまとめ、1月に出版された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度前半においては予定通り順調に進めることができたと考えている。しかしながら今年度終盤においては、コロナ禍の影響により、研究対象者である学生に対する補足の質的データ収集に関しての制約が生じたため、研究デザインの見直しも含め検討中である。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は次の計画を推進する。 1. 2020年度前半(4-9月)量的データ分析、補足の質的データ収集についての再計画・遂行 収集データ整理が終わり次第、事前・事後テストの結果を量的に分析し、留学前後の語用論的能力の発達および語用論的動機づけの変化を見る。さらに昨年度終盤に予定していたものの実施が叶わなかったフォローアップインタビューなどの追加データ収集の方法を検討し直し、実施する。 2. 2020年度前半(10-3月)質的データ分析、途中経過発表の機会の模索 収集した質的データの整理が終わり次第、分析を開始する。主に、質問紙の自由記述および談話完結テストの産出データのコーディングなどを行う。また、分析の途中経過を発表し、他の研究者と意見交換できる機会(研究会や学会発表などへの参加)を探る。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、データ入力等の、分析に関わる作業全てを自ら行い、人件費が不要であったために余剰が生じたが、来年度は質的データ分析も控えており人件費が必須となるため、そちらに充当する予定である。
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