研究実績の概要 |
初年度は『英語多義ネットワーク辞典』と『プログレッシブ英和中辞典 第五版』において培った句動詞に関連するリソースの再加工と例文素材の収集の時期と位置づける。辞書の記述から教材への再加工は、まずその枠組みを確定するための、綿密な議論・検討が必要となるため、例会を開き、検討を重ねてきた。とくに本研究で記述の対象とする句動詞の選定をメインのテーマとし、「認知言語学的手法を応用したオンライン英語多義語辞書の開発」プロジェクト(平成26‐28年度 科研費基盤研究(C)14489028)で開発した「アニメで学ぶ英語多義前置詞ネットワーク辞典」との連携可能性を探りつつ、句動詞学習システムとしてのあるべき形式を模索してきた。 中学生から大学受験生までを主な読者層として市販されている英語句動詞の参考書として、現在入手可能なものを片端から買い揃え、その編集方針、解説方針、レイアウトも含めて、ひとつひとつの長所短所をリストアップしていった。現在市販されているもののに関して言えば、大きく2つの編集方針が見られた。ひとつは動詞を中心とし、get up, get out, get on, get along, get down といったように動詞を見出しとして立てて整理して解説するもの。もうひとつは、get up, take up, break up, come up, go up, bring upといったようにparticle(不変化詞)を中心とし、使われる不変化詞を見出しとして立て、整理し、解説するパタンである。 われわれとしては、「アニメで学ぶ英語多義前置詞ネットワーク辞典」との連携を通じて、さらに効果的な学習システムの構築を目指す立場から、後者の編集方針を採用することになった。現在は、リサーチ対象を文法書などにまで広げ、ある句動詞の例文として、その特徴をもっともうまくとらえている文章を選別するためにさらに詳細な議論を続けている。
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