研究課題/領域番号 |
19K00910
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
斉藤 信浩 九州大学, 留学生センター, 准教授 (20600125)
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研究分担者 |
玉岡 賀津雄 名古屋大学, 人文学研究科, 教授 (70227263)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 韓国語習得 / 聴解性文診断 / 聴解力 / 第二言語習得 / 失語症診断 |
研究実績の概要 |
失語症診断用に開発された聴解による文理解の能力診断を,韓国語学習者の文理解の能力診断に適用し,聴解性文理解のテストを作成するのが本研究の目的である。原案となっている失語症診断は,紙ベースの診断キッドであるが,本研究では,それらをタッチパネル式の画面で,画面に触れることで回答し,データを得て,それを分析する仕組みを作る。そのため,まず刺激文を韓国語で作成し,絵を作成し,プログラミングするという手順を取る。 今年度は,68の刺激文(文理解48,空間把握20)を韓国語で作成した。能動文と受動文の対と,形容詞否定文,2項動詞,3項動詞のスクランブリングを入れ込み,それ以外に,前後上下のような空間把握に関する診断文を作成し,短文レベルでの文診断ができるように組んだ。 絵については,専門のイラストレーターに依頼し,プログラミングについては共同研究者に依頼するが,プログラミング言語はeprimeを使用し,パイロット的に試運転を行った。絵については。失語症診断キッドのものに版権があるため,それらをそのまま利用できなかったため,新規に書き起こすことになった。 2019年度は,刺激文とプログラミングの基盤を整えることができたが,年度の下半期にコロナによる制約が発生し,被験者調査にまで進むことができなかった。この状況は,2020年度も上半期は変わらないと思われ,下半期に遅れを取り戻すために一気に調査ができるよう,今年度に作成した刺激文とプログラムを再度,精査する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
刺激文の作成までは終了し,韓国語文の作成までは終了したが,絵を作成する段階で業務依頼が複雑であったため,それが遅れの一因となってしまった。その結果,春休み期間中に予定していた学習者への被験者調査ができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度前期中に,刺激文と絵をプログラムに乗せて,パイロット調査を行い,先行的に分析を行う。恐らく,2020年度前期は,被験者への調査は(対面式のため,昨今のコロナウィルスの影響で)できないであろうから,その先行分析を基に,2020年後期には被験者からのデータを採集したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験に必要な絵の作成が,依頼が煩雑なため,今年度に収まらなかったが,次年度の上半期で完成させる予定である。また,コロナウィルスの影響で,初年度の最終盤に予定していた被験者への調査も不可能であったため謝金が発生しなかった。これも次年度にの下半期には実施する予定である。
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