研究課題/領域番号 |
19K00910
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
斉藤 信浩 九州大学, 留学生センター, 准教授 (20600125)
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研究分担者 |
玉岡 賀津雄 名古屋大学, 人文学研究科, 教授 (70227263)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 韓国語の聴解力 / 聴解性文診断 / 韓国語習得 / 聴解力の測定 |
研究実績の概要 |
本科研の目指す,聴覚による文理解の診断テストは,韓国語を第二言語として学習する日本人を対象に,聴解力による文理解を診断する装置を開発することにある。被験者は,音声提示された韓国語文を聞いて,正しいイラストの画像をタッチで選択し,それらの正誤と反応時間が計測され,それによって,被験者の聴解力を測定するのである。 その聴覚提示のために必要な刺激文(刺激文は,文診断64,位置診断24,語彙診断36,の124文から成る)の作成とイラストの作成を終え,それらの素材を,PschchPYというプログラムを使用して,聴覚提示実験のプログラミングを行なった。プログラムは,Surface Pro(Win10)のタッチパネル型PC(2台)に搭載した。このプログラムによって,実験に参加した参加者は誤用のフィードバックを瞬時に受けることができる。 実験は,韓国語能力試験(TOPIK)に準拠した聴解テストを与えて,被験者の韓国語能力を測定したのち,上記のSurfaceProを用いた実験を行い,聴解力診断を行う予定である。実験の下準備は今年度で全て整った。 しかし,コロナの影響により,被験者を対象にした実験は遅れている。2021年6月から7月にかけて,まとまった調査を実施する計画で進めている。全体で40程度のサンプルが集まれば,分析に入ることができる。対面式でなければならないため,現下の状況では,早急には取りかかれないが,上半期までには被験者調査を終了させる。 今年度は,実験のデータが収集できていないために,聴覚性文診断についての論文は作成できなかったが,多肢選択式の文法テストが会話力をどの程度推測できるかという研究と,読解テストの測定力の分析に関する論文を作成し,本研究の理論的な下準備をすることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
被験者を対象とした対面式の実験調査を行う必要があるが,現下のコロナ禍のため,それができないでいる。実験のための準備は全て整っているが,予定していた被験者調査が2020年度内にはできなかった。そのため,2021年の上半期に被験者の調査を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
被験者からのデータ収集が遅れているため,データがない状態であるが,先に,分析の枠組みを固めておき,データ収集がなされたのちには,一気に,分析を行い,結果の記述を行う。2021年6月から7月にかけて,まとまった調査を実施する予定であるが,その前に,コロナの影響を十分に排除した上で,数名程度のパイロット調査を実施し,本調査を成功的に進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本来であれば,2年度目に,被験者を対象とした実験調査を行う予定であったが,コロナ禍による影響で,実施することができなかった。そのため,人件費・謝金の支出が大幅に少なくなっている。この作業は,3年度目に延長し,実施することとした。
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