コミュニケーションに用いる音声を生成する調音動作は、母語の場合は生まれながらにして獲得する。母語以外の言語の発音訓練では、普段意識していない調音動作を練習することになり、訓練促進には適切な教示が必要である。調音動作では舌、口唇、下顎の動きを制御することになる。本研究では、これらの動きを担っている表情筋に着目して、筋活動量と調音動作の関連を数理的に解析して、音声の音響的特徴であるフォルマントと口輪筋、咬筋、顎二腹筋との関係を確認した。それに基づき、訓練者が理解しやすい筋肉に関する教示、例えば「口を横に引っ張る」「顎を落とす」などの教示の発音訓練効果の検証できる方法を考えた。
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