研究実績の概要 |
本研究の目的は、小学校英語授業をコーパス化し、CEFR-Jが提示する到達度を満たす内容であるかを測定後、CEFR-Jに準拠した改善点を表面化し、CEFR-Jにおける基準、Pre-A1からA2レベルの能力到達を満たす指導法を提示することである。令和元年度は、小学校コーパスの規模を拡大すべく、録画した小学校英語授業に付与するタグ開発のための文献調査、およびコーパスに付与するべきタグセットの調整を行い、コーパス構築モデルを完成させた。コーパス構築の目的である授業改善を視点とし、teacher reflectionを可能にするタグセットを構築した。令和2年度は研究課題1、CEFR-J wordlistと比較した教室での語彙使用状況の調査に取り組み、CEFR-J wordlist各レベル(A1, A2, B1, B2)に含まれる語彙の使用率を自動で算出するツール(VACSR1: Vocabulary Analyzer Based on CEFR-J Wordlist for Self-Reflection)を構築した。このツールにより、コーパス構築後の語彙レベル調査が容易となった。最終年度は研究課題2として計画した「教師のインプット・インタラクション・活動内容が学習者の理解度に与える影響の調査およびCEFR-J規定のCan-do descriptorとの照合研究」の初期段階として、コーパス構築の半自動化を可能にするツール開発に取り組んだ。授業コーパスを拡大すべく、令和2年度Classroom Corpus Tagger (CCT)として発話者タグ、使用言語タグを自動付与するツールを開発し、無料で使用可能なコーパス構築ツールとして論文発刊と同時に一般公開した。CCTによる授業コーパス構築が簡略され、コーパス構築時間が短縮されたことにより、コーパス拡大に貢献した。
|