研究課題
基盤研究(C)
本研究は、文化史および物質文化の視点から、江戸後期(19世紀)日本における儒教儀礼形式、とりわけ孔子廟・釈奠について研究するものである。本研究では、研究の中心を主要な藩校に関する史料(文献・遺物)の調査に置き、洋学等の新たな学術形式が勃興し、漢学教育が勢いを失いつつある当時の状況の中で、儒教儀礼形式がなぜ継続されたかを考究した。
東アジア文化史
本研究成果の学術的意義は、江戸後期(19世紀)日本における儒教儀礼形式の適応事例を分析し、倫理的価値がいかに文化に埋め込まれているかを明らかにしたことにある。本成果は東アジア史にとどまらず、世界規模の文化史、倫理研究に影響を与えるものである。また、その社会的意義は、倫理システムの文化的基盤の理解を推し進め、現代世界における異文化間のグローバル倫理の発展に有用なフレームワークの開発に役立つ知見を提供したことにある。