研究課題/領域番号 |
19K00940
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
滝川 祐子 香川大学, 農学部, 技術補佐員 (40532932)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 大黒屋光太夫 / 日本図 / 18世紀後半の対外関係 / キリル・ラクスマン / アダム・ラクスマン / 日露関係 / 日英関係 |
研究実績の概要 |
本研究は18世紀後半に西欧諸国が鎖国政策下の日本に対し、どのような関心を抱いており、どのように接近しようとしたについて扱う。特に漂流民の大黒屋光太夫をめぐるイギリス、ロシアの対日政策との関係ついて明らかにし、知のグローバリゼーションの過程について明らかにすることを目的とする。 令和3年度は令和2年度と同様にコロナ禍のため、国内の史料の閲覧はもとより、予定していた海外での現地調査を行うことが全くできなかった。そのため、文献資料の検討を中心に研究を行った。 令和3年度は初年度に得られた資料、海外から取り寄せた画像資料、これまでに得た文献資料を分析し、論文を執筆した。執筆した論文は、国際日本文化研究センターの『日本研究』第64集に<研究ノート>「新出の英国史料からみた十八世紀末の西欧における大黒屋光太夫日本図の評価」というタイトルで年度の最終日に出版された。この論文により、大黒屋光太夫に関する新出の史料として、イギリス国立海事博物館のケアード図書館から画像を入手し、同図書館に保管されていた節用集系統の日本図を紹介した。さらに同時代の西欧における日本の地図情報を検討した結果、短い期間ではあったが、探検航海による実測地図が出版される以前、また長久保赤水の『改正日本輿地路程全図』が西欧に持ち帰られるまで、最新の日本図、日本の海図として評価されていた可能性を示した。 また得られた成果の一部をオンラインで開催された2つの学会(国内学会1、国際学会1)において口頭発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍により、令和2年度に引き続き、この2年間、予定していた現地での資料調査を行うことが全くできなかった。そのため、令和4年度への延長申請を行っており、可能な限り現地調査を行いたいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度への延長申請が受理されたので、研究期間を1年延長すると可能な限り現地調査を行いたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により海外渡航が禁止されたため、予定していた海外での現地調査を行うことができなかった。令和4年度には、コロナの感染状況を考慮し、可能な限り現地調査を行いたいと考えている。
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