研究課題/領域番号 |
19K00945
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
愼 蒼宇 法政大学, 社会学部, 教授 (80468222)
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研究分担者 |
檜皮 瑞樹 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 准教授 (00454124)
宮本 正明 大阪経済法科大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (20370207)
鄭 栄桓 明治学院大学, 教養教育センター, 教授 (90589178)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 朝鮮人 / 境界 / 植民地 / 冷戦 / 労働 |
研究実績の概要 |
最終年度である2023年度は、8月初旬には研究分担者の宮本正明とともに、高松市公文書館、さぬき市公文書館、高松市歴史資料館、高松市平和記念館、坂出市立大橋記念図書館で資料調査を行なった。高松市公文書館では、研究課題に関する高松市所蔵の公文書で、要審査許可の降りた資料の調査を行った。植民地期、戦後の在日朝鮮人に関する資料について成果を得ることが出来た。高松市平和記念館では植民地期と在留と労働、戦時強制労働に関する重要な先行研究と史料を発見することができ、旧林飛行場(高松空港)跡、飯場跡の巡検踏査を行うなど、大変大きな成果を上げることが出来た。そして、これまで調査不足のままであった広島県福山市中央図書館、兵庫県立図書館、神戸市立中央図書館での資料調査を行い、郷土資料において、在日朝鮮人の生活や労働に関する一定の成果を得ることが出来た。 本研究は朝鮮南部・玄界灘・瀬戸内をまたぐ朝鮮人の生活と運動・社会形成に関する研究で、長崎・北九州・山口・広島など当該境界域に根ざした地域をまたぐ朝鮮人の移動と生活、労働、社会形成の特質を寄留の出入りも含め総体的に捉える研究を目指してきた。とりわけ、広島や岡山において、こうした点や、とりわけ戦時期、解放後の時期に関わる資料の発掘をすることができた。資料の考証に基づいて、「境界」に発動する植民地支配‐被支配関係を明らかにするとともに、植民地期や冷戦期における緊迫感に満ちた境界域の性格を浮き彫りにするため、研究代表者の愼蒼宇、研究分担者の檜皮瑞樹が主に植民地期、研究分担者の宮本正明、鄭栄桓が戦時期から解放後の、在日朝鮮人社会の形成と変化、それに対する自治体、国家の政策の変化を明らかにしてきた。
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