本研究では収集した年代記12点を史料学的に検討することにより、主に15~16世紀の東海・関東地域各地で発生した地震や自然災害の信頼性の高い記事を抽出できた。とくに①1498年明応東海地震(南海トラフ巨大地震)に先行し明応2年10月29日(1493年12月7日)に京都・奈良~遠江の範囲で大地震が発生したこと、②享徳3年11月23日(1454年12月12日)に陸奥~関東の範囲で大地震が発生したことなど明らかにした。これらの点を過去の地震・気象データとして地震学・気象学などの分野に提示できたことにより、今後の各地域の防災・減災に関する活動にも寄与できると考えられる。
|