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2022 年度 実績報告書

米国議会図書館蔵忍術関係史料の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K00951
研究機関三重大学

研究代表者

山田 雄司  三重大学, 人文学部, 教授 (90314103)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード忍者 / 忍術 / 米国議会図書館 / 兵法
研究実績の概要

2019年8月の調査に続いて、2022年8月23日・24日の両日、米国・ワシントンDCにある米国議会図書館トーマス・ジェファーソン館において、兵法書の調査および写真撮影を行った。
今年度はそのうちの『軍敗要目集』を翻刻し、解題を付して『三重大史学』第23号(2023年)に、「【史料紹介】米国議会図書館所蔵『軍敗要目集』」として掲載した。
本書には、「参謀本部文庫」の印が捺されており、陸軍参謀本部旧蔵本である。その後GHQに接収されて米国に渡り、米国議会図書館所蔵となるが、その経緯については、田中宏巳『米議会図書館所蔵占領接収旧陸海軍資料総目録』(原書房、1995年)ならびに米国議会図書館蔵日本古典籍目録刊行会編『米国議会図書館蔵日本古典籍目録』(八木書店、2003年)などに詳しい。
本書は、巻12末尾に「井伊掃部頭直孝従士 権道正伝 冨上喜大夫藤原因利編集之」と記されており、井伊直孝(1590-1659)は、井伊直政の次男として駿河国中里で誕生し、彦根藩第三代藩主となり、慶長15年(1610)掃部頭に任官している。本書を執筆したとされる冨上喜大夫藤原因利については不詳である。
書目にある「軍敗」は「軍配」と同義で、軍隊の指揮をすることを意味し、本書は戦いのための戦略・戦術について記されている。兵法学の変遷については、石岡久夫『日本兵法史』上・下(雄山閣、1972年)に詳しいが、本書もその一つとして位置づけることができる。
本書の構成は、巻一築城、巻二進発法并行列、巻三陣宿始終作法、巻四陣場割、巻五斥候、巻六攻城、巻七夜討、巻八船戦、巻九旗旌、巻十合戦并足軽、巻十一首実検序説、巻十二天文日取之事からなっている。このうち、巻五に斥候の方法についてまとめて記されるが、他の巻においても忍びの方法について叙述されており、今後の詳細な検討を必要とする。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 【史料紹介】米国議会図書館所蔵『軍敗要目集』2023

    • 著者名/発表者名
      山田 雄司
    • 雑誌名

      三重大史学

      巻: 23 ページ: 1~67

  • [学会発表] 忍術書に記される忍具2023

    • 著者名/発表者名
      山田雄司
    • 学会等名
      日本機械学会東海支部
    • 招待講演
  • [図書] 忍者学大全2023

    • 著者名/発表者名
      山田 雄司、三重大学国際忍者研究センター
    • 総ページ数
      560
    • 出版者
      東京大学出版会
    • ISBN
      978-4-13-053303-4
  • [図書] 実践!忍術の手引き2022

    • 著者名/発表者名
      山田雄司
    • 総ページ数
      204
    • 出版者
      BABジャパン
    • ISBN
      978-4814204458
  • [図書] 忍者学研究2022

    • 著者名/発表者名
      三重大学国際忍者研究センター、山田雄司
    • 総ページ数
      240
    • 出版者
      中央公論新社
    • ISBN
      978-4120054990

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公開日: 2023-12-25  

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