| 研究課題/領域番号 |
19K00953
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| 研究機関 | 高知大学 |
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研究代表者 |
津野 倫明 高知大学, 教育研究部人文社会科学系人文社会科学部門, 教授 (60335916)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | 朝鮮出兵 / 諸大名 / 戦う動機 / 流用型恩賞 |
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| 研究実績の概要 |
本研究の目的は、朝鮮出兵における実戦の指揮官たる諸大名の戦う動機の解明である。目的達成のために、Ａ〈積極的な動機に関する史料〉・Ｂ〈受動的な動機に関する史料〉を収集・分析し、大名たちが「なぜ戦ったか」を考察する。２年目にあたる本年度はおもにＢの収集・分析により、受動的な戦う動機の解明を進める予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により史料調査が実施できなかった（昨年度延期分を含め４回予定であった）。ただし、東京大学史料編纂所データベース等の活用、豊臣秀吉文書収録図書・朝鮮出兵関連図書の購入や文献複写・文献相互貸借、これらによりＢの収集だけでなく、Ａに分類すべきであるが、改易大名の復権という動機に関する史料の収集と分析を実行した。
１．史料収集：（１）臆病者を成敗する恫喝を記した文禄２年６月11日付加藤清正条書など消極的な動機に関する諸史料を刊本で把握した。（２）宇都宮国綱や船越景直ら改易大名の復権すなわち積極的な動機に関する諸史料を上記データベース等の活用により、入手した。
２．史料分析：（１）前記「１.史料収集」の（２）により宇都宮国綱の積極的な動機に関する史料を収集・分析して次項の研究を発表し、戦功の分析も進めている。（２）前記「１.史料収集」の（２）により船越景直の積極的な動機に関する史料を収集し、分析している。
３．研究発表：主要な発表は次のとおりである。（１）共著『中世史講義 戦乱篇』で積極的な動機に言及する「第14講 文禄・慶長の役」を発表した。（２）諸大名の戦う動機に言及する「戸次川の戦いと長宗我部氏の命運」を発表した。（３）宇都宮国綱の積極的な動機の前提となる改易理由を解明した「宇都宮氏改易の理由」を発表した。（４）2020年９月予定の第四回壬辰戦争研究（国際）ワークショップの予稿集原稿「巨済島海戦（漆川梁海戦）に関する基礎的考察」を提出した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症拡大防止のため史料調査が実施できなかった。このため、史料収集と分析に遅れが生じている。「５．研究実績の概要」で述べたような成果はあがっているものの、遅れは否定できないので、「遅れている」と評価した。そのため、当初の研究期間内に研究を完了することは難しいと判断し、研究期間の延長を申請することで2022年度の完成を期すことにしたい。
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| 今後の研究の推進方策 |
当初の研究期間の３年目にあたる2021年度はＡ・Ｂを補完的に収集し、これらも含むＡ・Ｂの分析により、３年間の成果を総括する予定であった。新型コロナウイルス感染症拡大の影響が一定の終熄をみせれば、また充実してきた各種データベースも活用すれば、研究期間の延長が許可される2022年度中に研究課題の総括は可能と考えている。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、史料調査が実施できなかったため、旅費の執行ができなかった。新型コロナウイルス感染症拡大の影響が一定の終熄をみせれば、史料調査を精力的に実施するが、史料調査が不可能な場合は旅費を豊臣秀吉文書収録図書・朝鮮出兵関連図書や複写史料などの入手に要する物品費等として使用する。
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