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2023 年度 研究成果報告書

東北・北関東の農兵隊・草莽隊と戊辰戦争の実態的研究

研究課題

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研究課題/領域番号 19K00959
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分03020:日本史関連
研究機関宮城学院女子大学

研究代表者

平川 新  宮城学院女子大学, 付置研究所, 研究員 (90142900)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード庶民剣士 / 武芸・武術 / 農兵 / 戊辰戦争 / 近世身分制論 / 兵農分離論
研究成果の概要

従来の研究では武士と庶民に区分された身分制度にもとづいて、剣術は武士の特権だと理解されてきた。だが江戸時代を通して庶民は一貫して剣術の自由をもっていたことを明らかにした。しかも対外的危機が顕在化してくると、幕府は1849年(嘉永2)に海防強化令を発し、諸藩に対し沿岸の備えを求めた。武士だけではなく、百姓・町人などの庶民剣士を国防体制の中に取り込んだ画期的な法令であることを明らかにした。農兵制度は、武士身分ではなくとも帯刀することを可能にした。従来の帯刀公認システムは大きく変容し、幕末農兵制度は、庶民でも帯刀が可能な状態を一挙に出現させたことを明らかにした。

自由記述の分野

日本近世史

研究成果の学術的意義や社会的意義

これまで武術は武士の特権だと理解されてきたが、近世初期から全国で庶民武芸が盛んであり、各地に無数の庶民剣士が存在していた。これは従来の身分制度理解の転換を迫る歴史の実態である。19世紀に対外的危機が迫ると、1849年に各藩に対して海防強化令を出すが、そこでは百姓や町人などを農兵として取り立てることが指示されていた。これは全国に広範に存在する庶民剣士を国防体制に組み込むことを目的としており、これによって日本の陸上戦力は飛躍的に強化されることになった。多数の庶民剣士の存在が日本の国防体制の転換に大きな影響を与えたという事実は、近世日本の身分制と国防体制の理解に大きな影響を与えるものである。

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公開日: 2025-01-30  

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