近世から近代への移行期において、高禄の旗本という、領主としての性格を持った武士が、いかにしてその地位・身分を喪失していったのか、戊辰戦争下での一時的な知行所への土着が、彼らにとっていかなる意味を有したのか、また領民の側に何を残したのかについて、具体的な史料を通して明らかにすることで、明治維新期の研究に資することができた。 また、研究に主として活用した資料(静岡県伊豆市牧之郷飯田家資料)については、翻刻を行ったほか、本研究に直接関係しない分も含め、伝来した近世・近代資料のほぼすべての整理・目録化を完了させ、書籍として刊行・配布することで、今後の保存・利用面での基礎づくりを行うことができた。
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