今後の研究の推進方策 |
アメリカ側から見た中国の排日・排貨運動の実態について、以下の2点の調査と、情報のデジタル化である。 ① Correspondence of the U.S. M.I.D. relating to General, Political, Economic, and Military Conditions in China, 1918-1941(National Archives and Records Administration)米国陸軍省軍事情報部(Military Intelligence Division:MID)』によって提出された報告書(マイクロフィルム)であるが、中国各地に派遣されていた米国の駐在武官によって情報蒐集され定期的に陸軍省に報告されたものである。その内容は、中国の政治、経済、軍事のほか、社会情勢、人口統計、資源生産、産業など多肢にわたるが、中国の抗日運動に関する貴重な報告も存在する。 1915年の「対華21ヵ条要求」に対して起った「五・四運動」、1919年パリ講和会議中討議の「山東問題」に関連して起った抗日運動、1923年日本が延長した関東州租借を原期限に返還要求運動、1925年上海の日本紡績工場における労働争議、1927年山東出兵に対するボイコット運動、1928年~29年の済南事件に対する排日運動、1931年~32年の満洲事変に対する排日運動、また、それ以後1941年までの、日中武力衝突にともなって中国各地で昂揚した排日運動の実情について報告されている。 ② Records of the Dept. of State relating to Internal Affairs of China, 1910-1949 中国の国内事情:米国国務省文書(マイクロフィルム)は、米外交官・領事・その他民間人が送った報告書を中心としており、満州事変に関するリットン調査団の報告書なども収録されている。日本の領事官報告に相応する。
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