研究課題/領域番号 |
19K00984
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
真辺 将之 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (80546721)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 市島謙吉 / 市島春城 / 大隈重信 / 早稲田大学 |
研究実績の概要 |
本年度は、昨年度購入できなかったノートパソコンを購入したため、快適な環境で研究作業をすすめることができた。また、昨年度に引き続き、市島春城が遺した膨大な史料について、早稲田大学図書館所蔵の資料を中心に、目録作成を引き続き行った。そのための研究補助者を1名雇用し、早稲田大学図書館の古典籍総合データベースや、WINEシステム、早稲田大学図書館和漢図書分類目録、さらには早稲田大学中央図書館特別資料室備付のカード目録なども含め、市島旧蔵の史料を網羅的にエクセルに入力する作業を行い、現在チェックできたものについてはほぼその入力を完了することができた。また昨年度入力したデータを再確認するとともに、漏れが無いかどうかをチェックする作業を行った。ただし目録が逐次入力するのみで、分類がしっかりとできていない状況は昨年度から変わっておらず、今後一度入力したデータを何らかの形で分類整理し、全体構造を把握しやすい形に修正することが課題として残されている。また新型コロナウイルスの流行で年度前半の研究活動に支障が出たことや、昨年度購入できなかったパソコンを購入したことなどがあり、研究補助者を年度後半しか雇用できず、また国内出張での調査も含めて学外史料の調査はできていないため、来年度以降コロナウイルスの流行収束後の課題としたいと考えている。 また、以上の目録入力作業を行う一方で、市島が関与した諸活動についての考察を深めるために、関連する諸種の図書資料を購入して検討する作業も行った。こちらの作業についても来年度以降も継続して行っていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度前半に新型コロナウイルスの流行で研究活動が遅滞したこと、および研究補助者を年度後半にしか雇用できなかったことが理由で、当初の目論見よりはやや遅れている。また研究補助者の雇用については、パソコンを購入したことなどによる予算の限界もあり、仮にコロナウイルスの流行が無かったとしても、限度があったと考えられる。また早稲田大学図書館以外で所蔵している史料の調査についても立ち遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
来年度、申請者は在外研究のためベルギーに滞在することになった。そのため、本研究課題については(1)目録については研究補助者を雇用せずに自分で入力作業を進める、(2)市島謙吉の政党運営や大学経営についてイギリスを始めとするヨーロッパの事例がモデルとなっていたことをふまえ、ヨーロッパの政治や大学に関する知見を深め、市島自身の執筆物との対象を重ねながら考察をすすめる、(3)基金型の研究費であるため、無理に研究費を費消せず、再来年度において研究補助者を多く雇うことで目録作成を飛躍的にすすめるようにする、という方策を取りたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究補助者の雇用を年度後半にしか行えなかったこともあり、若干の次年度使用額が出た。しかし些少な額であり、仮に年度最初から雇用していた場合には逆に雇用費用が足りないことになったと考えられる。次年度使用額については今後の研究補助者雇用の費用に宛てたい。
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