研究課題/領域番号 |
19K00984
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
真辺 将之 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (80546721)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 市島謙吉 / 市島春城 / 大隈重信 / 大隈内閣 / 大学史 / 学校史 |
研究実績の概要 |
本年度は、研究代表者が在外研究期間(サバティカル)によりベルギーのルーヴェン・カトリック大学に滞在することになったため、同大学所属の研究者で、市島春城日記を用いて大正期のメディア状況について研究しているJan Schmidt氏と連絡を通じながら、市島日記の内容に関する情報を交換しつつ、同日記の全体像や意義についての討議を行うことができた。また前述の事情から、目録作成の研究補助者の雇用はできなかったため、主にインターネット上で閲覧できる情報をもとに、市島春城日記の目録作成や、細目作成の作業を行った。ただし研究補助者無しでの作業であったため、進度はあまり早くはなく、研究費も多くを繰り越すことになったため、2022年度において、研究補助者を雇用して目録作成の作業を加速して進めることとしたいと考えている。また筒井清忠編『大正史講義』(ちくま新書)に「大隈内閣成立と大隈ブーム」を執筆したほか、読売新聞社WasedaOnlineに記事「渋沢栄一と大隈重信」を執筆、青山学院史研究所開設記念シンポジウム「学校史・大学史研究の可能性」にて「早稲田大学150年史編纂事業について」を報告、一般社団法人尚友倶楽部にて講演「大隈重信と早稲田大学―明治14年の政変と総長としての大隈」を講演録形式で行するなど、市島日記を用いた研究をさまざまに発表することができた。このほか、関連する実績としては、『南日本新聞』連載記事「明治14年政変と五代友厚」に関連して、同新聞記者による取材を受けてコメントを行うことによって、研究の社会的な還元を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
在外研究期間(サバティカル)によりベルギーに滞在することになったため、目録作成の研究補助者の雇用ができなかったことによる。また新型コロナウイルスの流行のために、ベルギーからの一時帰国による調査の遂行や、日本国内での出張などができなかったために、一部行いたかった調査を行うことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
研究費を多く繰り越すことになったため、2022年度において、研究補助者を雇用して目録作成の作業を加速して進めることとしたいと考えている。またコロナウイルスの状況次第であるが、研究開始当初から行う予定であった市島の出身地である新潟県への出張も敢行したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
在外研究期間と重なり研究補助者の雇用ができなかったこと、ならびに、コロナ禍で研究出張ができなかったことに基づく。次年度において、コロナ禍の状況を見つつ、これらの支出を行っていきたい。
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