研究課題/領域番号 |
19K00993
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
鈴木 多聞 法政大学, 国際日本学研究所, 研究員 (70636216)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 宮中 / 天皇 / 空襲 / 占領 |
研究実績の概要 |
いわゆる「終戦」関係のニュースが比較的に少なかった一年であった。いわゆる「昭和史」への社会的関心は徐々に低下し、戦争の記憶は「ヒト」から「モノ」へと変化している、とすらいわれる。 研究のオンライン化がすすみ、従来とは違った形での研究活動となった。数多くの図書館の郵送複写サービスには、大変、助けられた。 昭和天皇や鈴木貫太郎に関する出版を準備中である。「病」への社会的関心が高まったこともあり、戦争末期の日本の政治指導者の健康状態についても、詳しく調査を行った。過去の天気について調べてみると、一九四五年八月の気温は高く、空襲警報による睡眠不足とあわせて、当事者の体調にも影響していたかもしれない。政治指導者の体調に関する情報については、政治的配慮がなされていた可能性が高い。 第180回 白眉セミナー(京都大学、2020年05月26日)において「「西班牙感冒」の史料を読む」と題してオンライン報告を行った。約100年前の新聞や統計、行政文書などの史料を読み、当時の時代背景について考え、あわせて議論を行った。また、第191回 白眉セミナー(京都大学、2021年2月9日)において「音・感情・時間」と題してオンライン報告を行った。史料を読む限り、様々な「音」が過去に存在していたことがわかる。だが、消えてしまった「音」を考えることは容易なことではない。「音」には動作や意味内容を伴うこともある。音楽と政治の関係についても、あわせて議論を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
検索システムの向上により、従来知られていなかった史料を数多くみつけることができた。図書館の利用制限が続いたが、郵送複写サービスに助けられた。
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今後の研究の推進方策 |
図書館や史料館で史料が入手できない場合、古書店などを通じて入手する必要がある。国会図書館(東京本館)の入館制限が続くのであれば、他の図書館を積極的に利用し、史料調査を継続する必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
20万円の前倒し支払請求を行ったが、実際には10万円ほどでおさまった。昨年度、キャンセルした出張や史料調査を今年度に行う予定である。
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