研究課題/領域番号 |
19K00993
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
鈴木 多聞 法政大学, 国際日本学研究所, 研究員 (70636216)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 宮中 / 天皇 / 空襲 / 占領 |
研究実績の概要 |
戦争体験者が減り、いわゆる「戦争」の記憶が風化している。社会的にみても戦争体験者から直接話しを聞いたことがない人の割合が増えている。また、一昔前のように、陸軍と海軍の対立のような話題は、メディアでも報道されることが少なくなり、むしろ「日本軍」というフレーズを目にすることが多くなった。 昨年度は昭和天皇や宮中に関する史料や研究がメディアをにぎわせた一年であった。また、研究の細分化がすすんでいる。さらに、インターネットの発達により、論調にも変化がみられた。 昭和天皇や鈴木貫太郎に関する出版を準備中である。また、高松宮、東久邇宮、賀陽宮といった皇族関係の史料を中心に収集、分析を行った。昭和天皇から見た各皇族の性格と、各皇族から見た昭和天皇の性格に関する記述を比較した。最近公刊された史料には、これまで知られていなかった人物評価もみられる。 上記と関連し、地方の図書館の史料を収集することができた。史料館の閲覧制限が緩和され、大変、助けられた。その一方で、諸外国における史料調査をすることができず、オンラインが主となった。出版に使用するための写真撮影が、コロナ禍の影響で難しい地域もあった。古書店を通じて史料を入手するなどした。 過去の戦争への社会的関心が低下するなか、従来のように、政治史の枠内で書くようなスタイルで良いのか、疑問がないわけではない。あの時代を叙述する方法にも、大きな課題を感じている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
検索システムの向上により、従来知られていなかった史料を数多くみつけることができた。図書館や史料館の入館制限が緩和された。
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今後の研究の推進方策 |
図書館や史料館の入館制限が緩和されている間に、史料をなるべく多く収集する必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の中、予定していた史料調査を見合わせた。感染状況をふまえ、可能であれば、諸外国や国内における史料調査を行いたい。
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