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2020 年度 実施状況報告書

太閤検地に関する国家史的再定義

研究課題

研究課題/領域番号 19K00996
研究機関九州大学

研究代表者

中野 等  九州大学, 比較社会文化研究院, 教授 (10301350)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード豊臣政権 / 豊臣秀吉 / 太閤検地 / 在地社会 / 御前帳 / 朝鮮出兵
研究実績の概要

令和2年度は新型コロナウィルス感染症拡大防止の観点から、研究活動の自粛を余儀なくされた。加えて部局長としての立場から、部局構成員の出張などを抑制せざるを得ず、東京大学史料編纂所や国立国会図書館などの資料保存・利用機関などへの自身の調査についても見合わせざるをえなかった。したがって、令和2年度はこれまでの調査で収集した史資料の有機的な整理を心がけた。最終年度ではないが、前倒し的に資料整理用の物品を計画的に購入していたのは、こうした理由による。
研究成果としては、これまでの収集資料をもとに、朝鮮出兵期の毛利輝元以下、一門の動向について実証研究をおこない、佐賀県立名護屋城博物館の紀要に発表した。これは前年度におこなった島津の事例研究に続くもので、国家的政策である「太閤検地」が、諸大名の動向をどのように規定したのかを具体的に論証することになった。全国におよび「太閤検地」は、天正末年にじっしされた「御前帳」の調製と朝廷への提出をもって、そのクライマックスをなしたと考えているが、朝鮮出兵は「御前帳」に記載された石高を基準の一つとしており、その相関性を考えていく上で、おおきな意味をもつ。
また、今年度は積極的な図書購入もすすめた。とりわけ、刊行史料集「九条家文書」のもつ意味は大きい。九条家は五摂家のひとつであり。潤沢な史料をのこしている。これを基に太閤検地の実施を前にした公家の対応について、研究することが今後重要な論点となるが、今年度ようやく研究の端緒につくことができた。新型コロナの影響で、決して順調とは言いがたいものがあるが、研究費の有効活用を心がけ、それなりに実績を上げたと認識している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新型コロナウィルス感染症の影響をうけ、県外に所在する史料保存・利用機関での調査研究が全く滞ってしまった。その点の不調を、活字として刊行されている史料集を活用することで研究課題にせまることを考えている。

今後の研究の推進方策

部局長としての任期を無事におえることができたので、今年度は比較的自由に県外の史料保存・利用機関への出張、調査研究も可能になると考えている。これによって、当初の研究計画への復帰は十分に可能ではないかと考えている。もちろん、新型コロナウィルス感染症の状況次第ではあるが、流行の蔓延化など状況が悪化すれば、研究期間の延長申請も視野にいれることとなろう。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルス感染症の拡大という状況に加え、部局長として感染拡大防止の観点から、自身の出張等を抑制せざるを得ず、結果的に大幅な執行残となってしまった。今年度は状況の回復を見込んで、当初の研究計画への復旧をめざすこととする。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 文禄・慶長の役と諸大名の動向(二)文禄の役および講和交渉期における毛利一門の動向2021

    • 著者名/発表者名
      中野 等
    • 雑誌名

      佐賀県立名護屋城博物館紀要

      巻: 27集 ページ: 1-38

    • 査読あり

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公開日: 2021-12-27  

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