江戸時代における諸藩の資産運用状況や、旧藩の資産が明治時代の地域経済に与えた影響を明らかにするため、旧藩貸付金の実態解明をすすめた。全国の都道府県に明治初期の旧藩貸付金史料が残っていないか情報収集したのち、現地調査を行った。残念ながら関係史料が残っている都道府県は少なく、江戸時代の状況を復元できる史料は僅かだった。 しかし長崎県・山口県・群馬県・福島県において、明治4年から5年にかけての史料を確認できた。長崎県・山口県については、佐賀藩・長州藩が積極的な資産運用を行っていたことがわかった。一方群馬県・福島県の諸藩は零細農村の救助目的が多かった。このように、地域や藩の規模での違いが確認できた。
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