台湾の「殖民地撰定」事業は、台湾総督府民政局殖産部拓殖課の殖民地撰定掛が司った。事業規程として「殖民地撰定及区画施設仮規程」が定められ、殖民地とする原野を探すため、拓殖課から台湾各地へ調査者が派遣されていた。原野調査では、拓殖課の調査以前に地方行政機関による事前調査があり、その中で絞り込まれた原野を拓殖課が調査していた。 北海道と台湾との連続性は、「仮規程」が北海道の「殖民地撰定」に準拠しており、かつ台湾の事業責任者が、北海道の事業にも副責任者として従事していたことが象徴的である。また撰定された土地の排水問題など、北海道時代から事業に胚胎していた問題が、台湾で顕在化したことも注目できる。
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