研究課題/領域番号 |
19K01002
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 國學院大學栃木短期大学 (2022) 明治大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
大工原 豊 國學院大學栃木短期大学, その他部局等, 准教授 (20641202)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 広域遊動 / 互酬連鎖交換 / 交易 / 情報伝達 / 物資流通システム / 文化圏 / 専業集団 / 型式圏 |
研究成果の概要 |
縄文社会では遺構の形態差、土器・石器型式の差による文化圏が存在する。その境界は自然障壁と人為的障壁があるが、情報・物資がすべて双方向的に通過するものではなく、その一部が阻害される場合がある。また逆に複数の文化圏を貫いて遠隔地まで流通する場合もある。草創期・早期の遺物分布は、集団の広域遊動の結果である。前期前半には土器型式圏を超えて物資の互酬連鎖交換が始まる。そして前期後葉には交易による物資流通システムが成立する。さらに中期以降には製作・流通の専業化が進み、多くの物資が広域に流通するネットワークが構築される。しかし各種情報は必ずしもこれとは連動せず別の情報伝達システムにより伝播されるのである。
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自由記述の分野 |
考古学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの縄文時代の研究では、同じ型式の遺物の分布が存在した場合、ヒトの動き、モノの動き、情報の動きのいずれなのか検証せず、漠然と捉えて流通論が論じられてきた。その結果、なぜ同一型式・形態の遺物が広域に分布するのかについて、正確に理解しようとする意識が希薄であったと言える。非常に長い時間スケールをもつ縄文時代では、一見すると同じように見える遺物の分布も、時期によって異なる人間活動の結果に帰因するものであることについて、具体的研究事例を蓄積することにより、広く問題提起することができたと考える。本研究が嚆矢となることで、日本の基層文化である縄文文化の流通に関する研究を活性化に寄与することができる。
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