研究課題/領域番号 |
19K01022
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研究機関 | 下関市立大学 |
研究代表者 |
橘 誠 下関市立大学, 経済学部, 准教授 (30647938)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | モンゴル国 / 国家財政 / 関税 / I.M. マイスキー / ボグド・ハーン / チベット人 |
研究実績の概要 |
研究期間の一年目は史料・文献収集期としている。学内でサバティカルを取得できたため、長期間にわたってモンゴル・台湾で史料調査を実施することができ、満足のいく成果が挙げられた。 第一に、本研究の核心となる、1910年代のモンゴル国の収支に関する史料を発見・収集できたことは大きな成果であった。この史料によると、これまでのモンゴル史で積極的に利用されてきたロシア人研究者マイスキーが提示する統計資料が、必ずしも正確ではないことが明らかになった。このモンゴル国の収支をめぐる問題については、2019年12月に開催された九州史学会の東洋史部会において報告した。 第二に、以前の共同研究で取り組んだ課題にも関連する、モンゴル国におけるチベット人からの関税徴収に関する史料を入手した。その史料によると、先行研究が指摘してきた、チベット人はモンゴル国において無関税特権を得ていたという定説を確認することはできたが、政府内ではチベット人への課税を望む声は強く、これをチベット出身のモンゴル国元首ボグド・ハーンが抑えこんでいたことが分かった。この問題については、2019年10月にモンゴル国ウランバートルで開催された、ボグド・ハーン生誕150周年を記念する国際会議において報告した。 この他、2019年7月にパリで開催されたInternational Association for Tibetan Studies the 15th Seminarにおいて報告し、また論文集Институт Богдо-гэгэна в истории Монголии. К 150-летию Богдо-гэгэна Джебцзундамба-хутухты VIII- последнего великого хана монголовにロシア語の論文を掲載した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、モンゴル国、台湾において長期の史料調査を実施し、予定通り必要な史料を十分に収集することができた。また、これらの史料を用いて国際学会、国内の学会において報告した。
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今後の研究の推進方策 |
二年目は、史料・文献整理研究期と位置付けている。新型コロナウイルスの影響で、国内外での調査・学会参加が難しくなると予想されるため、昨年度収集した史料を時間をかけて丁寧に整理・分析するとともに、補足的にオンラインで収集できる史料を収集していく。また、昨年度学会において報告した内容を論文として公にしていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度開催の国際会議の参加費を支出したが、当該会議が年度末にキャンセルとなり、参加費が返還されたため。2020年度中に使用する計画である。
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