研究課題/領域番号 |
19K01026
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
江川 ひかり 明治大学, 文学部, 専任教授 (70319490)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | オスマン演劇 / 祝祭 / 暦 / 大衆文化 / イスタンブル / オスマン帝国 / ラマダン(断食月) / カント(歌) |
研究実績の概要 |
本研究は、19世紀末・20世紀初頭オスマン帝国の都イスタンブルにおいて近代演劇が果たした政治的・社会的役割を同時代の演劇ポスター(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所所蔵)と公文書史料とに基づいて解明することを目的とする。令和4年度もコロナ禍の影響で非公開とする第6回研究会を5月28日に開催し、研究代表者江川ひかりと連携研究者永田雄三および奥美穂子が個別研究の進捗について意見交換をした。 他方、海外研究協力者ハティジェ・アイヌル氏が東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所特別招聘研究員として令和5年1月まで滞在していたため、随時メールで意見交換をおこない、令和4年12月23日には対面で第7回研究会を開催して『祝祭の書』の写本の来歴等に関する議論を深めた。 令和5年2・3月には奥美穂子によるイスタンブルへの渡航が可能となり、大統領府オスマン公文書館において、オスマン帝国祝祭関連公文書を閲読・収集、またイスラム研究センター(ISAM)図書館においてオスマン帝国祝祭関連書籍・論文を渉猟した。加えて奥美穂子は、現地のオスマン文学・文化史、歴史学を専門とする諸研究者とも面会し、近年の研究動向をはじめ、公文書の解読に関する知見を得た。本出張成果として奥美穂子は、3月11日に明治大学駿河台キャンパスにて開催された明治大学特定研究課題ユニット、アジア史料学研究所研究シンポジウムにおいて「オスマン朝写本史料の継承と保存―『インティザーミーの祝祭の書』を事例として」と題する発表をおこなった。 永田雄三は『トルコの歴史』を上梓し、下巻においてトルコ史上における近代オスマン演劇の意義を記した。加えて、江川ひかりは、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所のHP上で上述の演劇ポスターに関する研究発信を継続し、情報の修正およびデータベース上の項目名に日本語サイトを増設した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和元年度末から令和4年度までの3年以上の間は、コロナ禍の影響で国内の研究会ですら容易に開催することが難しく、海外渡航も基本的には不可能な状況であったため、主として各自の個別研究を深めることに留まったことが理由である。
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今後の研究の推進方策 |
上述したとおり、令和4年度末に連携研究者奥美穂子がイスタンブルへ渡航し、公文書・文献・論文等の閲読・収集をおこなったことで、多くの成果を得ることができた。したがって、再々延長をお認めいただいた令和5年度が最終年度となる。最終年度の研究計画は次のとおりである。 第一に、研究代表者および連携研究者が各自で進めてきた個別研究を執筆し、それらをまずは冊子体で研究成果報告書として出版した後、書籍として公刊することを計画している。そのためには、研究会を5月以降、隔月に開催し、お互いの論文に関する議論を深めて、論文の精度をあげていく。 第二に、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所のHP上で公開している「オスマン演劇ポスター展へようこそ」のサイトの内容をさらに充実させていく。今年度は、多言語ポスターのうちフランス語およびヘブライ語で記されたポスターに着目して、それらを日本語訳し、公表することを目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍によって研究の進捗がやや遅れ、最終研究成果報告書を出版することができなかったため。
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